がんばっているのに楽にならない理由 こころの「がんばり癖」を整理するヒント

「毎日がんばっているのに、どうして楽にならないんだろう」
周囲からは「よくやっている」と評価され、期待にも応えているはず。それなのに、ふとした瞬間に心の内側に広がるモヤモヤ。もしあなたが達成感よりも「削り取られている感覚」を抱えているなら、それはこころの「がんばり癖」が原因なのかもしれません。
そこでこの記事では、期待に応えすぎるAさんと、弱音を吐けないBさんという2つのタイプを例に、がんばっているのに楽にならない人の共通点と、「がんばり癖」を整理するヒントを探ります。
- この記事でわかること
- 2つの例から見る「がんばり癖」の具体例
- なぜ、がんばっているのに楽にならないのか
- 利害関係のない専門家に頼ることで心が軽くなる理由
期待に応えすぎてしまうAさんの「がんばり癖」
30代のAさんはIT企業勤務。周囲から「仕事ができる、気が利く人」として絶大な信頼を集めています。Aさん自身も仕事自体にはやりがいを感じていますが、今の職場は人手不足が続いており、一人ひとりの業務量が明らかに過剰な状態です。
Aさんは無計画ではなく、むしろ真面目すぎるほどで、毎日タスクを整理し、なんとか時間内に終わらせようと工夫を凝らしています。しかし、彼女の優しさを頼りに、周囲から次々とイレギュラーな対応が舞い込んでくるため、計画通りには進まないのが現状です。
「断れない」以上に「期待に応えたい」
自分の仕事を進めている最中でも、同僚から「ちょっと相談したいんだけど」と声をかけられれば、Aさんは迷わず手を止めます。相手の困り顔を見ると、自分の仕事が立て込んでいても断ることができません。
さらに彼女を追い詰めるのは、上司から「これなんだけど、お願いできるかな? 君なら安心だから」と頼まれた時です。期待されている嬉しさと、それに応えなければならないという責任感から、気づけば自分の許容量をはるかに超えた仕事を引き受けてしまいます。
残業で「自分」を取り戻す日々
結局Aさんは、日中は周囲のサポートや急な対応に追われ、自分の業務に集中できるのは定時を過ぎてからになることがほとんどです。皮肉なことに、Aさんにとって残業時間は、誰にも邪魔されずに、自分の計画を進められる唯一の安心な時間になっていました。
しかし、それほどまでにがんばっても、翌朝には「ありがとう」の一言だけで、仕事が完了したものとしてあっさりと受け取られ、また次の「期待」が目の前にやってきてしまいます。
ここでAさんが陥っているのは、相手の反応が期待通りにいかず、心がモヤモヤしている状態です。これだけやったのだから、自分ががんばれば相手もこれだけ返してくれるはずだという、目に見えないお返しを求めてしまう。しかし、どれほど感謝するか、評価するかは相手次第であって、Aさんの努力だけではどうにもできないことなのです。

周囲に弱音を吐けないBさんの「がんばり癖」
Aさんが「外からの期待」に振り回されている一方で、完璧さに縛られているのがBさんです。
Bさんは30代の営業職。三年前に現在の会社に転職してきました。非常に有能で、数字に対する責任感も人一倍強く、職場では「彼に任せておけば安心だ」と一目置かれています。しかし、Bさんの心は常に「完璧でいられるか」に集中しています。
過去の成功体験が強く影響している
Bさんの前職は、極めてシビアな実力主義の会社でした。チームではなく個人の成績が評価に強く影響していたため、「自分の数字は自分の力だけで作るもの」「人に頼る暇があるなら一件でも多くアポを取って達成につなげろ」という文化が徹底されていたのです。
Bさんはその環境で、誰の助けも借りずにストイックに結果を出し続けてきました。Bさんにとって「自力でやり遂げること」は自分を証明するための唯一の手段でした。
前職での成功体験があるからこそ、チームでの協力が重視される現在の職場にきても、無意識に一人で抱え込み、完遂することが正解だという意識が強く残っているのです。
弱みを見せる=プロ失格という思い込み
Bさんにとって、トラブルや進捗の遅れは、自らの「管理不足」が原因の恥ずべき事態です。そのため予期せぬ問題が起きても、周囲に相談したり弱音を吐いたりすることはありません。Bさんの苦しさの正体は、人生のすべてを「自力」で解決しようとすることです。
もしかすると、Bさんが一人で眉間にシワを寄せている間に、隣の同僚がその問題の解決策を知っていたかもしれません。あるいは上司に一言「苦戦しています」とこぼすだけで、強力なバックアップが得られたかもしれません。
しかしBさんは「自分のがんばり」に固執するあまり、周りが差し伸べてくれている手に気づけなくなっている状態にあるのです。
なぜ、がんばっているのに楽にならないのか
AさんとBさんは一見すると真逆の二人ですが、本来はコントロールできないはずの結果を、自分のがんばり次第でなんとかしようとしている点が共通しています。
がんばりが結果に反映されない例
旅行を例にしてみると分かりやすいかもしれません。
| 1.努力が結果に直結しなかったケース |
| 何ヶ月も前からガイドブックを読み込み、綿密なスケジュールを組んだ。しかし、当日は記録的な豪雨で交通機関が止まり、スケジュール通りにはいかないことばかり。結局は全日ホテルの部屋で過ごすことになった。 |
| 2.不確定な要素がプラスに働いたケース |
| 何の準備もできないまま「なるようになるだろう」と思い立って出かけた弾丸旅行。最初は不安のほうが多い旅になるかもと思っていたが、偶然立ち寄った店で地元の人と意気投合。絶景に案内してもらい、一生の思い出になった。 |
この2つのケースを見ると、準備という過程をどれほどがんばっても、旅行の結果が必ずしも最高のものになるとは限らない、ということが分かります。
もちろん、入念な準備をしたからこそ心ゆくまで楽しめたという時もあれば、無計画だったせいで散々な目に遭うこともあります。しかし、がんばっているのに楽にならない人は、天候のような自分ではどうにもできないことまで、自分の努力でなんとかしようとしている状態なのかもしれません。
つらい時は「オンラインカウンセリング」という選択肢を
「まだ動けるし、カウンセリングを受けるほどじゃない」
そう思われるかもしれません。しかし、自分だけではなかなか心のモヤモヤを解消できない、誰かに話したいと思った時に、気軽に利用することができます。
期待に応える自分、有能であるべき自分。その役割を一度脇に置ける場所として、カウンセリングを利用してみるのもよいかもしれません。
「利害関係がない」からこそ話せる
職場の同僚や友人に相談すると、どうしても「仕事ができないと思われないか」「気を遣わせないか」といった不安が生じます。オンラインカウンセリングは、あなたの日常とは切り離された場所ですので、何を話しても翌日の仕事に響くことはありません。この安心感が、自分の「がんばり癖」を知る一歩になるかもしれません。

自宅から自分のペースで利用できる「オンラインカウンセリング」
カウンセリングの中でも、オンラインカウンセリングは自宅から利用できるため、構えることなく相談を始めることができます。
自分ではなかなか気づけない「がんばり癖」をメンタルヘルスのプロであるカウンセラーと一緒に整理してみる。それは、こころの荷物を一度下ろして、中身を一緒に確認するような作業なので、ずっと楽にならなかった気持ちに変化が起こるかもしれません。
まとめ
「がんばっているのに楽にならない」という感覚は、これまで人生に誠実に向き合ってきた証しでもあります。
「これは本当に、自分の努力だけでどうにかできることだろうか?」と、時々自分に問いかけてみてください。そしてもし一人で問いかけることに疲れてしまったら、オンラインカウンセリングのような安心できる場所で、カウンセラーに相談してみることを検討してみることをおすすめします。
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メザニン登録カウンセラー
佐藤 汐 Shiori SATO
EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)、キャリアコンサルタント
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現在も子育て支援を行っており、主に未就学児の養育者の方々の相談を受けております。また企業で休職者の相談に乗った経験もありますので、幅広い対応が可能です。心揺らぐことなどがありましたらお話を聞かせてください。



