仕事の悩み

【何もしたくない…】無気力になる原因と対処法を解説

朝、布団から出るのも億劫で、憂鬱な気持ちで一日が始まる。あなたは、こんな風に感じる時がありませんか?

現代社会は、常に時間に追われ、膨大な情報に晒され、成果を求められるストレスフルな環境です。しかし、頑張れば頑張るほど、心は疲弊し、「何もしたくない…」という無気力な状態に陥ってしまうことがあります。

この記事では、「何もしたくない…」と感じたことがあるビジネスパーソンに向けて、無気力になってしまう原因や、その対処法について詳しく解説していきます。

何もしたくないと感じるのはなぜ?

「何もしたくない…」そう感じるのは、あなたの心が疲れているサインかもしれません。

仕事で大きなストレスを抱えていたり、責任ある仕事を任されてプレッシャーを感じていたり、職場の人間関係だったりと、理由は色々と考えられます。

心身の疲労が蓄積すると、私たちの心は、これ以上頑張らないようにと行動にブレーキをかけてしまうのです。

では、具体的にどのような原因が考えられるのか、詳しく見ていきましょう。

何もしたくないと感じてしまう原因

1. ストレス

仕事や人間関係など、私たちを取り巻く環境の中で、様々なストレス要因が存在します。
日々、これらのストレスにさらされ続けると、心身に疲労が蓄積し、「何もしたくない」という無気力な状態に陥りやすくなります。

特に、真面目で責任感が強い人ほど、ストレスを溜め込みやすく、無気力感に悩まされる傾向があると言えるでしょう。

2.過度の責任感

仕事や家庭で過度の責任を感じると、プレッシャーや不安が高まり、結果として無気力になることがあるかもしれません。高すぎる目標や過度の期待に曝されると、心が追いつかず無気力になってしまうことがあります。

また、転勤や、結婚などのライフステージの変化などで強いプレッシャーを感じてしまい、その結果、無気力になってしまうケースも少なくありません。

3.人間関係

人との交流が減少したり、孤独感を感じたりすることで、無気力になる可能性があります。特に、テレワークの増加などで対面でのコミュニケーションが減少している現代社会では、注意が必要かもしれません。

仕事や職場でストレスを感じている人は多い
2022年の厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況によると、仕事や職場でストレスを感じている人の割合は、82.2%にものぼり、仕事の量や責任、人間関係などはストレスの上位に位置しています。


参照:2022年の厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況 第1-2-2

4. 睡眠不足

十分な睡眠は、心身の疲労を回復するために必要不可欠です。しかし、忙しい毎日の中で、睡眠時間を十分に確保することは難しく、慢性的な睡眠不足に陥っている人も少なくありません。

睡眠不足は、集中力や思考力の低下だけでなく、自律神経のバランスを崩し、それらが原因で無気力感を引き起こす可能性があります。

5. 運動不足

運動不足は、体力の低下だけでなく、ストレスホルモンの増加や、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を減少させるため、無気力感や気分の落ち込みに繋がると考えられています。

特に現代社会は、デスクワーク中心の生活を送っている人が多く、慢性的な運動不足に陥りがちなので、注意が必要です。

6. 食生活の乱れ

栄養バランスの偏った食生活は、ビタミンやミネラルなどの不足を招き、体の様々な機能に悪影響を及ぼします。その結果、疲労感や倦怠感を引き起こし、無気力な状態に陥りやすくなります。

何もしない状態が続くと疑われる病気

「何もしたくない」という状態が長く続く場合、もしかしたら、何かしらの病気が隠れている可能性も考えられます。ここでは、無気力状態が続く際に疑われる代表的な病気について解説します。

抑うつ状態(うつ病)

うつは、気分の落ち込みや興味・喜びの喪失、疲労感や食欲不振などを特徴とする精神疾患です。「何もしたくない」「何も楽しくない」という状態が長く続く場合は、うつの可能性も考えられます。

適応障害

適応障害は、特定の出来事や環境の変化によって引き起こされるストレスが原因で、心身に様々な症状が現れる精神疾患です。

新しい環境や人間関係に馴染めず、強いストレスを感じている場合、適応障害を発症し、無気力感や倦怠感などの症状が現れることがあります。

慢性疲労症候群

慢性疲労症候群は、長期間にわたり極度の疲労感があり、休養をとっても症状が改善せず、さらに記憶力や集中力の低下だったり、筋肉痛や関節痛や頭痛、睡眠障害を伴う病気です。

慢性疲労症候群の原因は完全には解明されていませんが、ウイルス感染や免疫系の問題などが関係していると考えられています。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの分泌が低下することで起こる病気です。疲労感や倦怠感、寒がりになったり体重の増加や便秘、他には皮膚の乾燥などが見られます。

甲状腺機能低下症は、血液検査で診断され、ホルモン補充療法などの治療を受けることで改善が期待できます。

統合失調症

統合失調症は、思考や感情、行動に影響を与える精神疾患です。無気力感や意欲の低下(陰性症状)が見られることがあります。進行すると幻覚や妄想(陽性症状)が起こったり、無感情のような状態になったりしてしまうことがあります。その結果、社会的引きこもりになる恐れもあります。

統合失調症は医療機関などで適切な治療を受けることで症状の改善が期待できますが、早期発見・早期治療が重要です。

これらの病気は、血液検査などで診断が可能なため、気になる症状がある場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

何もしない時にやってはいけないこと

「何もしたくない…」と感じている無気力な時にやってはいけないことについて解説します。これらの行動は、一時的に気分転換になるかもしれませんが、根本的な解決にはならず、むしろ状況を悪化させてしまう可能性もあるため注意が必要です。

1. ダラダラとSNSをチェックしてしまう

スマホを手に取り、何となくSNSをダラダラと眺めてしまう…ついついやってしまいがちですが、SNSの情報は、あなたをさらに疲弊させる可能性があります。

キラキラとした投稿を目にすることで、自分と比較してしまい、劣等感を抱いてしまうこともあるかもしれません。

2. 寝すぎてしまう

「何もしたくない時は、ゆっくり休むのが一番」そう考える人もいるかもしれません。しかし、過度な睡眠は体内時計のリズムを崩し、自律神経のバランスを乱す可能性があります。その結果、倦怠感や疲労感が増し、無気力な状態から抜け出せなくなる可能性も考えられます。

3. 自分自身を責めてしまう

「何もやる気が起きないことで自分を責めてしまうこともあるかもしれません。しかし、自分を責めても状況は改善しません。むしろ、自己肯定感が低下し、さらに無気力感が強まってしまう可能性もあります。

4.問題を先送りにする

「何もしたくない」という気持ちから、重要な課題や問題を先送りにしてしまうことがあるかもしれません。しかし、問題を放置することで、さらにストレスが蓄積し、状況が悪化する可能性があります。小さなステップから始めて、少しずつ問題に取り組むことをおすすめします。

5.孤立する

無気力な状態の時、人との接触を避けたくなることがあるかもしれません。しかし、長期的な孤立は、気分の落ち込みをさらに悪化させる可能性があります。可能な範囲で、家族や友人とのつながりを保つことが大切かもしれません。

6.不健康な習慣に頼る

ストレスや不安を紛らわすために、過度の飲酒や喫煙、過食などの不健康な習慣に頼ることは、一時的な気分転換にはなるかもしれませんが、長期的には心身の健康を損なう可能性があります。

7.急激な生活の変化を求める

無気力感から抜け出したいという思いから、一気に生活を変えようとすることがあるかもしれません。しかし、急激な変化は持続が難しく、かえってストレスになる可能性があります。
何もしたくないと感じるのは誰にでもある
「みんな頑張っているのに、自分だけサボっているのではないか」「こんな風に無気力で、自分はダメな人間なのではないか」そんな風に考えてしまうこともあるかもしれません。

しかし、「何もしたくない…」そう感じるのは、決してあなただけではありません。人間であれば誰しも、心身のバランスを崩し、無気力感に襲われることはあるのです。大切なのは、「何もしたくない」という自分の気持ちに気付き、適切な対処をすることです。

この感覚を前向きに捉え、必要に応じて休息を取ったり、生活のバランスを見直したりすることで、より健康的で充実した日々を送ることができる可能性があります。

無気力状態から抜け出すための対処法6選

「何もしたくない…」そんな状態から抜け出すためには、どうすれば良いのでしょうか。
ここでは、具体的な対処法をご紹介していきます。

これらの対処法を実践することで、心身のバランスを取り戻し、少しずつ「何かしたい!」と思えるように、自分自身をいたわってあげましょう。

1. 十分な睡眠をとる

質の高い睡眠を十分にとることは、心身の疲労回復に欠かせません。寝る前にカフェインを控える、リラックスできる環境を作る、規則正しい睡眠リズムを心掛けるなど、質の高い睡眠を得るための工夫をしてみましょう。

2. バランスの取れた食事を心がける

栄養バランスの整った食事は、心身の健康を維持するために不可欠です。暴飲暴食は避け、しっかりと規則正しい食事を心がけましょう。

3. 適度な運動をする

軽い運動でも、気分転換になり、ストレス発散効果も期待できます。軽いウォーキングやストレッチなど、無理なく続けられる運動習慣を身につけるようにしましょう。

急激に激しい運動をはじめると、事故やケガの原因にもなりますので、無理のない範囲でゆっくり始めてみると良いでしょう。

4. 好きなことをする時間を作る

趣味やリラックスできる活動など、自分が心から楽しめる時間を作りましょう。好きなことに没頭することで、心身がリフレッシュし、新たなエネルギーが湧いてくるはずです。

同じ趣味を持つ人と交流することで、無気力から回復するためのアドバイスをもらえたり、仕事に対する新しい視点を見つけることができるかもしれません。

5. 自分と向き合う時間を作る

日記をつけるなど、自分自身と向き合う時間を作ってみましょう。自分の心の声に耳を傾けることで、ストレスの原因や、本当にしたいことが見えてくることがあります。

合わせて、日々の生活の中で感謝できることを見つけ、日記に書き留めるのも効果的です。意識的に感謝の気持ちを持つことで、ポジティブ思考につながるかもしれません。

6.新しいことにチャレンジする

新しい経験や学びは、脳を刺激し、意欲を高める可能性があります。オンライン講座を受けたり、新しい趣味を始めたりするのも良いかもしれません。

専門家のサポートを受けるという選択肢

「何もしたくない…」そんな状態から抜け出すために、様々な対処法をご紹介してきましたが、「一人で解決するのが難しい」「誰かに話を聞いてほしい」そう感じている人もいるかもしれません。

そんな時は、一人で抱え込まず、カウンセラーなどの専門家の力を借りてみるのも一つの方法です。

カウンセラーは専門的な側面から、あなたの無気力の原因や、抱えている悩みに対し、新しい視点や解決策を提案してくれる可能性があります。

また、週に一度、継続的にカウンセリングを受けることで、もやもやしていたこころがスッキリし、気持ちが前向きになったというケースも多々あります。

待機的なカウンセリングで自分の気持ちを話すことで、「何もしたくない」という不安な気持ちのサポートを受けることができるでしょう。

オンラインカウンセリングは予約も簡単

オンラインカウンセリングはインターネットにつながる環境であれば24時間、スマートフォンからでも簡単に予約が取れます。また、オンラインカウンセリングは自宅で相談できるのもメリットです。

相談をするために移動する時間を省くことはもちろん、なによりリラックスできる状態で自宅などから専門のカウンセラーに相談することができるのが、オンラインカウンセリング最大のメリットです。

まとめ

「何もしたくない」という感覚は、多くの人が経験する普遍的な感情であり、特にストレスの多い現代社会を生きるビジネスパーソンにとっては、決して珍しいものではないかもしれません。

この記事では、無気力になる原因や対処法、注意点などについて詳しく解説してきました。無気力な自分を恥じたり、否定的に捉えたりせずに、むしろ、これを自分の心身の状態を見直すきっかけとして捉えることが大切です。

休息が必要なのか、生活スタイルの見直しが必要なのか、あるいは専門家のサポートが必要なのか、自分自身と向き合う機会として活用できるかもしれません。

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メザニン登録カウンセラー
佐々木 隆嘉 Takayoshi SASAKI
臨床心理士、公認心理師

会計事務所での勤務など、様々な社会人経験を経たのち大学院に入学。修了後、医療・教育領域をメインに業務にあたっています。

【メッセージ】
話をしても何も解決しないかもしれない、話すこと自体がつらい、カウンセラーと合わないかもしれないなど、不安に感じることもあるかもしれませんが、一歩踏み出してご相談いただければと思っています。

あまり堅苦しくならず、ただ愚痴を話してまったりする時間にしていただいても大丈夫です。