入社から続いていた研修を終えて、部署へと正式に配属となる新入社員が多い六月。研修期間を乗り切った時期に起こりやすいのが6月病の症状です。
この記事では、会社を辞めたいと感じている新入社員の方に向けて、6月病とは何か、そして6月病の対処法をケース別に詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
6月病とは
6月病は、職場環境や仕事のプレッシャーなどが重なって、ストレスや不安感などの身体的、精神的な不調を抱える状態を指します。
6月病と呼ばれるようになった理由は?
6月病は正式な病名ではありませんが、新入社員が研修を経て正式に配属先が決まるころに、環境に適応ができないなどの症状が出やすいことから6月病と呼ばれるようになりました。
以前は研修期間が短く、五月中に配属が決定する企業が多かったことから、6月病と呼ばれる症状も5月病として認知されていました。
しかし現在では新入社員の研修期間が長く、本格的に会社の一員として働く時期がずれ込んでいることから、6月病と呼ばれるようになったという背景があります。
6月病の症状
6月病には一般的に、以下のような症状があります。
6月病の主な症状
- やる気が起きない
- 集中力が続かない
- 何に対しても楽しいと感じない
- 怒りっぽくなる
- ネガティブ思考になる
- 自分には価値がないと感じる
- 慢性的な頭痛
- 倦怠感
- 食欲不振または過食
- 免疫力の低下
- 胃腸の不調
- 涙が止まらない
個人によって異なりますが、複数の症状が同時、または連続してあらわれる場合があります。
6月病と気象病の関係
気象病も6月病と同様に正式な病名ではありませんが、気圧や温度、雨などによる湿度の変動で起こる不調を指します。特に梅雨の時期は降水量も増えるため、気象病によって体調を崩すことが多くなります。
雨の日は憂うつだ、低気圧の日は一日中頭痛に悩まされる、台風が近づくと耳の中がむくんでめまいや耳鳴りがするなど、天候によって不調が出るという話を耳にしたことがあるかもしれません。
仕事のストレスによって引き起こされる6月病の症状と併せて、気象病によっての体調不良も重なることから、慢性化しやすいといわれています。
6月病の対処法をケース別に紹介
新入社員は部署へ配属されると本格的に会社の一員として働くようになりますが、がんばってきた研修期間を終えると、様々な悩みに直面することが多くなります。
この章では、6月病の症状が出た際の対処法をケース別に紹介していきます。
- 配属先での悩み
- メンターとの相性が合わない
- 職場や生活環境自体に慣れない
1つずつ順番にみていきましょう。
1.配属先での悩み
希望の部署に配属されなかったというのは、ほとんどの新入社員が経験することかもしれません。
専門職の枠で入社をしたが新規部署へと配属された。または一般職で入社をしたが、専門スキルが必要な部署へ配属されたなど、希望とは異なる部署への配属に悩む新入社員は少なくありません。
長期的なキャリアプランを考える
環境に慣れるまでは、この部署が適切だという前向きな考えを持ってみるのが効果的です。少しでも興味のある分野であれば、自分では選ばなかったような職種だが、配属されたということは適正があるのだと自信を持ちましょう。
また、思いもよらなかったことが役に立った、という経験をしたことはないでしょうか。
例えば、スマホがあれば困らないため、パソコンには全く興味がなかったが、学校の入学祝いとしてもらったパソコンがきっかけで、タイピングの練習をはじめた。この経験が社会人として働く上で非常に役立っているというようなケースです。
人生において思いがけない事が役に立つ場面は非常に多く、自分のキャリアプランを3年後、5年後と考えた時に、配属された部署での経験が役に立つという視点で考えてみるとよいでしょう。
2.メンターとの相性が合わない
現在では、新入社員の離職防止としてメンター制度を導入している企業も多いですが、肝心のメンターとの相性が合わないと感じるケースもあるでしょう。
新入社員の立場としてはメンターと合わなくて辛いとは発言しづらく、仕事自体にやる気があっても会社に行きたくないと感じてしまうケースもあります。
新入社員にとって、メンターとの相性が合わないことが、仕事を辞めたいと感じる原因であることは少なくありません。
ひとりで抱え込まないことが重要
会社側も、新入社員の育成や悩みに対するアドバイスをメンターに一任している部分が大きいため、職場の人間関係がしっかりと構築できていない状態の新入社員には、社内に相談出来る環境がないことが大きな負担となります。
この場合は、同期の状態はどうかなどを聞いてみるのも有効です。同じ立場である同期の話を聞くことで、それぞれ違った状況でも悩んでいることなどを共有し、自分の状態を冷静に判断することが期待できます。
新入社員とメンターというのは役割であり、人対人であることに変わりはありませんので、合わない部分があって当然と言えます。
メンター制度では上司以外の同部署または他部署の先輩社員が就くことになっているため、仕事をする上で影響があるようならば、状況をまとめて上司に報告するのもよいでしょう。
3.環境自体に慣れない
入社から2か月も過ぎたのに会社に馴染めず、自分には価値がないのではないかと感じる。
新しい生活環境にもなかなか慣れることができないため、帰宅しても「帰ってきた」という感覚がなく心細さを感じる。
学生時代の友人が充実していると聞くと落ち込む。
趣味に使う時間や余裕もなく、何をしていても楽しいと感じない。
新しい環境に慣れようと毎日がんばっているのに、自分の居場所がないように感じてしまったり、いつまで学生気分でいるんだというような目で見られているような気がする。といったような、ネガティブ思考に陥っている場合は、6月病の可能性があります。
落ち着くものを身近に置く
新しい環境になってからもう2か月ではなく「まだ2か月」です。いきなり新しい環境に適応することは誰にとっても簡単なことではありません。
新しい生活環境に慣れずに辛いと感じて心細くなった時は、いままでの環境の中にあった物を身近な所に置いてみるのも有効です。
新しい環境に慣れるために、実家で使っていた時計やタオルなどを新居に置くのもひとつの方法です。
最初からインテリアに完璧さを追求したり、家を綺麗に維持することにこだわりすぎる必要はありません。新しい環境に慣れるには時間がかかるものです。自分ががんばっていることを褒めて、前向きに過ごしましょう。
がまん強い新入社員こそ要注意の6月病
6月病は新年度から続けたがまんの限界によって起こるメンタル不調のため、症状が慢性化しやすい傾向があります。
もしも「体調がおかしい」、「気分が落ち込む」といった変化に気づいた場合は、家族や友人に話してみることも有効です。
また、辛い気持ちを話しても、気のせいだよと言われるかも知れないと不安に思っていたら、オンラインカウンセリングを視野に入れてみましょう。
心細い時にこそ、オンラインカウンセリング
生きていく上で悩みは尽きませんが、特に仕事の悩みは家族や友人などの身近な存在には話しにくいものです。周囲に心配をかけたくないと思うからこそ、誰にも相談できずに一人で抱え込んでいませんか。
オンラインカウンセリングは、予約からカウンセリングまでをスマホから行うことができますので、交通費やカウンセリングルームに向かうまでの時間などのコストも削減にもつながります。
辛いときは相談を
新しい環境に身を置くと、誰しもが「心細さ」を感じます。身近な人に話せば力になってくれるかもしれないけれど、みんなそのくらいの悩みはあるよと受け流されてしまったらと不安に感じ、相談するのをためらってしまうこともあるでしょう。
仕事が辛い、環境に適応できないなどの悩みで心細さを感じたら、カウンセラーに相談してみましょう。オンラインカウンセリングなら、メンタルヘルスのプロであるカウンセラーがあなたの悩みに寄り添い、しっかりと向き合います。
カウンセラーと話してみることで自分の気持ちに向き合うことができるかもしれません。
まとめ
この記事では、新社会人、新入社員に向けて、6月病に陥りやすい状況と対処法を紹介しました。
6月病は放置をすると慢性化する可能性もありますので、辛いと感じていたらオンラインカウンセリングなどを利用して相談をしてみましょう。
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