心と体の健康の悩み

【女性編】情緒不安定になるのはなぜ?原因から落ち着くための対処法を詳しく解説

忙しく働く中でメンタルが安定しない、気分の浮き沈みが激しいなど、自分でも感情のコントロールが難しい時は不安を感じやすくなります。

そこで今回の記事では、情緒不安定になる原因と、情緒不安定になった時に落ち着くための対処法を、女性のビジネスパーソンに向けて詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。

情緒不安定とは

情緒不安定(じょうちょふあんてい)とは、喜怒哀楽などの感情の起伏が激しい状態を指します。

些細なことでも感情が大きく揺れ動き、突然の喜びや激しい怒り、深い悲しみ、不安などが交互に現れることがあります。

情緒不安定の主な症状

情緒不安定の主な症状として、怒りっぽい、イライラするなど攻撃的な感情の起伏の激しさから、突然涙が出る、急に落ち込むなどの感情が現れます。

情緒不安定の症状としての共通点には「変化や落差が大きい」ことが挙げられます。

怒りっぽい、イライラする

  • 普段は気にならない些細なことに対して怒りやイライラを感じる
  • 他者に対して攻撃的な言葉や行動が増える
  • 些細な問題や障害に対してすぐに感情が爆発する

気分が沈む、突然涙が出る

  • 特に明確な理由がなくても、急に涙が出ることがある
  • 理由もなく強い悲しみや絶望感を感じることがある
  • 自分を否定的に見ることが多くなり、自己評価が低下する

気分の浮き沈みが激しい

  • 短時間で気分が大きく変わる
  • 感情の安定を保つのが難しく、日々の中で気分が上下することが多い
  • 同じ状況に対して、日によって反応が大きく異なることがある

情緒不安定になる原因

情緒不安定になる原因は複合的ですが、一般的に以下の4つが要因であるとされています。

  1. ホルモンバランスの変化
  2. 環境的要因
  3. 健康状態による要因
  4. 心理的要因

1つずつ詳しくみていきましょう。

1.ホルモンバランスの変化

月経によるホルモンバランスの変化によって、情緒不安定になるケースがあります。月経前はなんとなくイライラすることが多い、夜眠る前に突然涙が流れるなどの症状で悩む方も多いのではないでしょうか。

PMS(月経前症候群)

PMSは月経前の3日〜10日前後に心身に不調が現れる状態を指します。

PMSの原因は現在でも明確ではありませんが、月経前に症状が現れることから、ホルモンバランスの変化によるものではないかと考えられています。

月経を経験している女性であれば、少なからず気分の落ち込みや、寝ても寝ても眠いなど、体調に変化を感じたことがあるかもしれません。

PMDD(月経前不快気分障害)

PMSの中でも、特にメンタル面で症状が強くでる場合は、PMDDと呼ばれます。

また、PMDDはPMSよりも症状が重いとされており、日常生活に大きく影響するケースもあります。

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)の状況

2022年に厚生労働省がまとめた「月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)の状況 」によると、「疲れやすく、気力がわかない」が57.1%ともっとも高く、次いで「感情が不不安定になる」が54.0%、「乳房の痛みや張り、関節痛や筋肉痛、頭痛、むくみ、体重増加などの身体症状がある」が53.1%となっています。

厚生労働省 『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす 影響に関する調査」単純集計結果 図表23を参考に作成

月経前に起こるPMSやPMDDといった症状によって、いつもなら受け流せることでも我慢できない、もしくはちょっとしたことで傷ついてしまうなど、自分の「こころ」に波があるなと感じたこともあるかもしれません。

PMSやPMDDには個人差があるため、一概に比較できるものではありませんが、日常生活に支障が出るようであれば、一度医療機関の受診を検討してみてもよいでしょう。

2.環境的要因

職場のプレッシャー

職場からの高い期待や売り上げのノルマ、締め切りのプレッシャーや人間関係のトラブルなどが日常的に発生することは、精神的に大きな負担となります。

また、多忙なスケジュールが続いている場合は、十分な休息時間を確保できないことが多くなります。これが慢性的な疲労感をもたらし、情緒の安定を妨げます。

人間関係のトラブル

人間関係の問題は、情緒に大きな影響を与えます。職場では、上司や先輩、そして同僚や後輩、プライベートでは友人や家族などとのトラブルを抱えている場合は、情緒不安定を引き起こすことがあります。

SNSの影響

SNS上では特に他者の成功や幸福が強調されるため、劣等感や孤独感を感じることがあります。

また、SNSを通して、その時々のトレンドを目の当たりにすると、「こうでなければならない」というような無意識のプレッシャーを感じるケースもあります。

3.健康状態による要因

慢性的な疾患は身体的、精神的ストレスを引き起こすため、情緒に悪影響を与えます。

睡眠の質と量

睡眠不足は、脳の回復を妨げ、ストレス耐性を低下させます。また、慢性的な睡眠不足は、情緒不安定を引き起こす主要な要因となります。

栄養不足

栄養不足や偏った食事は、身体の健康だけでなく、精神的な健康にも悪影響を与えます。特にビタミンやミネラルの不足は、気分の安定に必要な脳内の化学物質のバランスを崩す可能性があります。

メンタルヘルス不調

うつや適応障害などの疾患を持っている場合、情緒不安定の直接的な原因となります。これらの問題は、日常生活におけるストレス耐性を低下させ、感情のコントロールを困難にします。

これらの要因が複雑に絡み合い、女性の情緒不安定を引き起こすことがあります。適切な対策としては、ストレス管理や健康的な生活習慣の維持、カウンセリングの利用などが推奨されます。

情緒不安定な時の対処法

情緒不安定になった時は、自分でコントロールができない感情の変化に戸惑い、不安を感じることがあるかもしれません。この章では、情緒不安定になった時に落ち着く対処法を紹介していきます。

  1. ストレスになるものから距離を置く
  2. 自分の気持ちを整理する
  3. ストレッチやウォーキングなどの運動を取り入れる
  4. 生活リズムや習慣の見直し
  5. メンタルヘルスの専門家に相談する

順番にみていきましょう

1.ストレスになるものから距離を置く

情緒が不安定な時は、ストレスの原因から一旦離れることが重要です。

距離を置くことには、精神的な負担を軽減するために特定の活動や人との関わりを減らすことを含みますので、ストレスの原因が明確である場合は、一度距離を置くことで情緒不安定の症状が落ち着くかもしれません。

2.自分の気持ちを整理する

情緒が不安定な状態の時は、自分の気持ちを整理することが役立ちます。感情を書き出す「ジャーナリング」などは、冷静に対処する手助けになるでしょう。

また、感情の変化を引き起こすトリガーやパターンを理解することも、今後の予防策として重要であるといえます。

3.ストレッチやウォーキングなどの運動を取り入れる

運動は、身体だけでなく心にも良い影響を与えます。軽いストレッチやウォーキングは、ストレスを軽減し、リラックスするための効果的な方法です。

また、定期的な運動は睡眠の質を向上させる効果もあります。良質な睡眠は、情緒の安定やストレス対策に非常に重要です。

忙しい日常の中でも運動を行う習慣をつけることは、心身のバランスを保つための大きなポイントであるといえますので、無理のない範囲で継続できる軽い運動を取り入れてみましょう。

4.生活リズムや習慣の見直し

生活リズムや習慣の見直しも、情緒の安定に大きく影響するといえます。

規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、そして適切な休息を取ることが大切です。特に、睡眠不足は情緒不安定の大きな原因となるため、十分な休息を取ることが重要です。

5.メンタルヘルスの専門家に相談する

自分ひとりでの解決が難しいと感じる場合は、メンタルヘルスの専門家に相談することを検討しましょう。

メンタルヘルスの専門家であるカウンセラーとのカウンセリングは、感情の整理やストレスの原因を深く理解するために役立ちます。カウンセラーから、状況や背景に応じたサポートを受けることができるでしょう。

情緒不安定の悩みにはカウンセリングが有用

カウンセリングを受けることで、自分では気づかなかった感情や思考のパターンを認識することができます。

また、最近ではオンラインカウンセリングサービスも増えており、カウンセリングをより利用しやすくなりました。

オンラインカウンセリングは、自宅などの自分の好きな場所でリラックスしながら受けられるため、移動の手間や時間を省くことができます。また、忙しい生活を送っている場合でも、継続的にサポートを受けることが可能です。

このように、メンタルヘルスの専門家に相談することは、自己対処が難しい状況を乗り越えるための重要なステップです。

専門家のサポートを受けることで、心の健康を維持し、より充実した生活を送るための基盤を築くことができるでしょう。

まとめ

今回の記事では、情緒不安定になる原因と、情緒不安定になった時の落ち着くための対処法を、主に身体的に女性であるビジネスパーソンに向けて、詳しく解説していきました。

自分自身でもコントロールできない感情の起伏に悩んでいる場合は、カウンセリングを受けることを視野に入れてみましょう。

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メザニン登録カウンセラー
芹野 まり Mari SERINO
EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)、キャリアコンサルタント

医療機関に従事後、現在は企業向け産業保健業務の営業コンサルに従事。健康経営、産業衛生、メンタルヘルスなどを学びました。現在は企業の外部相談窓口(EAP)の相談も担当しています。

【メッセージ】
結婚、不妊治療、離婚、ペットロス、親の介護など哀しいことも楽しいことも悔しい思いもたくさん経験してきたことが、今となっては財産になっています。同じ経験をしていても一人ひとり思いや感情は違うものです。

安心してご相談いただける場所を提供できるよう、丁寧に寄り添っていきたいと思います。