心と体の健康の悩み

スマホ依存に陥りやすい人の特徴とやめたいときに試したい5つの対処法

皆さんは、朝から寝る直前まで、気づけばスマホを触っているということはないでしょうか。

スマホ中毒のチェックリスト

質問 はい いいえ
朝起きて最初にするのはスマホ画面のロック解除。
通勤時はスマホでひたすらSNSのチェックや、動画視聴・情報収集を続けてしまう。
休憩中もスマホを見ながら食事。
帰宅途中もスマホを歩きながら見てしまう。
自宅のトイレや風呂場にもスマホを持ち込む。
夕食の時もご飯の横にはスマホ。
就寝時も枕の隣にスマホ。
眠れないときはSNSやショート動画をひたすら見てしまい、気づくと寝不足に。

合計: 0

当てはまる項目が多いほど、スマホ依存に陥る可能性が高いといえます。

そこで今回の記事ではインターネット依存症の中でも、スマホ依存に焦点を当てて徹底解説していきます。

SNS疲れでストレスが凄く、最近こころも身体もなんだか不調が続いている。なのに気が付くとまたスマホを見てしまっている。

そんなこころと身体への影響が出ていても、スマホを手放せないという方に向けて、スマホ依存になりやすい人の特徴や、スマホ依存をやめたい時に試したい方法を紹介しますので、参考にしてください。

スマホ依存とは

スマホ依存は行動依存に分類されますが、スマホでインターネットに接続していると、脳の中で報酬系が刺激され、快感や満足感がもたらされます。これが依存の根本的な要素となっています。

強い欲求や衝動が起こるため、制心や意志力だけでは克服できない場合があります。したがって、なぜやめられないのかを客観的に理解することが重要になってきます。

スマホ依存になりやすい人の特徴3つ

ここでは、スマホ依存になりやすい人の特徴を紹介していきます。

  1. 流行やトレンドに敏感
  2. 真面目な性格
  3. 情報発信をすることが好き

1つずつ順番に見ていきましょう。

1.流行やトレンドに敏感

スマホは電源を落とさない限り、常にインターネットに接続されている状態です。

興味のあるトピックについての情報が更新されると、利用しているアプリに通知が届きます。スリープ状態だったスマホが光ればロック画面を解除せずにはいられなくなり、常にトレンドキーワードが滝のように流れてくるので、追うのが大変だと感じていてもつい夢中になり、なかなかやめることができません。

中でも、日常的に複数のアプリを利用している場合は、情報が更新されればスマホを見るという行動が習慣化されているため、スマホ依存になる可能性があるといえます。

2.真面目な性格

真面目な性格の場合、メールやコミュニケーションアプリを使った他者とのやりとりや、SNSで発信した情報に対するアクションなどを、一日の中でなんとか時間を見つけて行いがちです。

いわゆる「即レス」をしないと失礼なのではないか、あの人のこの投稿って自分に対しての批判なのではないかなどのように、真面目さと繊細さを持ち合わせていると、常に他者からのプレッシャーを感じるようになります。

3.情報発信をすることが好き

インターネットで情報を閲覧するだけではなく、自ら情報発信を行っている場合、投稿した情報に対するレスポンスを気にすることが増えます。

適切な頻度や行動によって情報発信をすることは、コミュニケーションや自身のスキル向上に有効である一方で、投稿をすること自体が「目的」になってくると注意が必要です。

上記はあくまでも、一般的にスマホ依存になりやすい人の特徴ですが、取り巻く環境や時代の影響も大きいことが分かっています。

ライフスタイルのデジタル化も影響している

総務省が2023年度に行った、「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、10代から20代のモバイル機器によるインターネット平均利用時間が、長い傾向にあることがわかりました。特に20代の平均利用時間は平日が207分、休日はなんと276.5分となっています。

また、30代でも平日が120.2分、休日は148.1分、40代でも平日が111.5分、休日は118.8分と、10代から40代までの平均利用時間が長いことがわかります。


総務省 | 2023年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査第3章3-1の図を加工して作成

集中できる時間は15分

常にスマホが手元にある環境では気が散りやすく、集中することが難しくなるケースがあります。

大人の集中力が持続するのは、一般的に15分とされており、場合によってはスマホによってさらに集中できる時間が減少し、作業に支障がでることも考えられます。

では、インターネット利用の目的についても見ていきましょう。

インターネット利用の目的でもっとも高いのは?

総務省が2021年に発表した、「通信利用動向調査の結果」では、インターネットの利用目的・用途で、最も高い割合を占めたのがSNSの利用で78.7パーセントでした。

次いで、電子メールの送受信が75.8パーセント、情報検索が75.1パーセント、商品やサービスの購入・取引が58.6パーセントと続き、動画投稿・共有サイトの利用は57.5パーセントとなっています。


総務省 | 2021年通信利用動向調査の結果 図表2-1を加工して作成

スマホによる脳疲労

脳疲労とは、脳への負荷や疲労が蓄積し、正常に働いていた機能が低下する状態を指します。

脳疲労が起こることで集中力や判断力の低下、疲労や倦怠感、そして頭痛やめまいなどが起こる場合があります。

スマホによる脳疲労は、前頭葉の働きが偏ることで、感情のコントロールがうまくできなくなることが原因であり、イライラしやすくなるという特徴があります。

スマホ依存をやめたいときは?

まず、一般的な社会人の平日のスケジュールを見てみましょう。
一般的な社会人のスケジュール(平日編)

内容 かかる時間
朝食や身支度 1時間
通勤往路 1時間
就業時間
(休憩を含む)
10時間
通勤復路 1時間
夕食や片付け
入浴・寝る準備など
2時間
自由時間 2時間
睡眠 7時間
合計 24時間

このスケジュールは一般的な労働時間や、通勤時間を基にした一例ですので、実際の業種や個人の状況によっては異なる場合がありますが、一日は24時間ですので、自由時間は2時間程度ということになります。

日々の生活の中では、リラックスやストレス解消のための自由時間を意識的に確保することが求められており、少ない自由時間の大半をスマホを見て過ごしているのであれば、スマホとの距離を見直す時期なのかもしれません。

スマホ依存をやめたい、時間を減らしたいと思ったときには、以下の方法が効果的です。

  1. タイパ(時間的なパフォーマンス)は悪くてもよい
  2. アプリの整理または利用時間を制限する
  3. 脱・機能集約
  4. 日記を付けてみる
  5. スマホ依存の悩みを誰かに聞いてもらう

順番に見ていきましょう。

1.タイパ(時間的なパフォーマンス)は悪くてもよい

消費速度の早い時代だからこそ注目を集める言葉に、「タイパ」があります。

タイパとはタイムパフォーマンスの略で、効率よく時間を使うというニュアンスで用いられることが多く、かけた時間に対してパフォーマンスが高ければ高いほどよいとされています。

タイパのメリット

タイパを意識することは、効率的な行動につながるというメリットがあります。

仕事においてタイムマネジメントが重要であるように、プライベートでもタイパを重視した行動が取れるようになれば、管理能力の向上も期待できるでしょう。

しかしその一方で、結果だけを重視することによるデメリットも存在します。

タイパのデメリット

トイレや入浴しながら、音楽を聴きながら、友達とコミュニケーションツールでやりとりをしながらSNSを見る。長い動画を倍速再生で視聴すれば、同じ時間で倍以上の情報が得られる。

このように、全てを同時進行で行うことは、「タイパがいい」とされますが、スマホ依存をやめたいと思ったときはまず、タイパの良し悪しをあまり重要視しないことも大切です。

生活の中の細かい箇所にまでタイムアタックを取り入れてしまうと、いつのまにかストレスが蓄積されていきます。

2.アプリの整理または利用時間を制限する

ホーム画面一杯に広がるアイコンの中で、自分を一番縛り付けているアプリを探してみましょう。この時、複数のアプリで迷ってしまった場合は要注意です。日常の中で頻繁に起動するアプリが多ければ多いほど、スマホに依存していることが考えられます。

ホーム画面にぎっしりと並んだアプリを精査してみることも効果的ですが、アプリ自体を削除するのは不安という場合は、利用時間の制限を試してみましょう。

iphoneで制限する場合

例として、iphoneでアプリの制限をかける場合を紹介します。

設定→スクリーンタイム→App使用時間の制限からカテゴリをタップすると、制限したいアプリが選択できますので、時間を決めてみましょう。制限時間は変更可能ですので、2時間から1時間、30分、15分と徐々に減らしていくのもよいでしょう。

3.脱・機能集約

通話やインターネットをはじめとした、写真や動画撮影、音楽やゲーム、そして地図機能による行先検索など、スマホの中には様々な機能が集約されています。

スマホさえあればなんでもできる。まさに夢のようなデバイスです。

不便さを取り入れる

スマホ依存をやめたと思ったら、いかにスマホから距離を置くかが非常に重要になってきます。

スマホなしでの生活に不安を覚えると思いますが、もともとスマホは「スマートフォン」、つまり電話です。

電話以外の機能は、スマホ普及以前は単体で成立していました。腕時計、カメラ、音楽プレイヤーなど、スマホに集約された機能のうち、頻繁に使用するものがあれば、専用の端末や機械を導入することも視野に入れてみるのも効果的です。

思い出に残る写真

写真や動画撮影の機能がスマホに集約されたことにより、より身近なものになりました。撮るだけではなく、誰でも簡単に加工や修正ができるようになったことで、不要なもの、汚れたものを排除できるようになっています。

綺麗に加工や修正された写真や動画は、SNSにアップすれば大勢の目に触れるかもしれません。適切な距離を保てれば、現代社会においてのコミュニケーションとして素晴らしいものです。

しかし、不完全な写真や失敗した写真にも、独自の魅力や個性があります。それらは人生の一部を反映しており、その状況や感情に触れることができます。そのような写真には思い出や物語が宿っているのではないでしょうか。

4.日記を付けてみる

スマホ依存をやめたいと思ったら、日記をつけるのも非常に有効です。

メモ帳や普通のノートでかまいません。その日にあった出来事や感情を一行でも箇条書きでもよいので書いていきましょう。

おそらく最初は、書くことがないと感じるかもしれません。しかし、1ページでは書ききれない日が出てきたり、書くことを習慣化することで、自身の振り返りがしやすくなってきますので、継続してみましょう。

他のツールで代用してもよい

書くことが苦手であれば、カレンダーや手帳などに、その日の気分に合ったシールを貼るだけでも十分に効果的です。

スマホ以外のカメラで一日一枚自分を撮る。しかし、うまくいっても失敗しても取り直しはしない。など、自分流の「日記の代わり」を見つけるのも楽しいかもしれません。

その日の自分の状態はどうだったか、どのような出来事があったかをを振り返ることが重要ですので、自分に合ったものを選んでみましょう。

5.スマホ依存の悩みを誰かに聞いてもらう

最後に試したい対処法は、「誰かに悩みを聞いてもらう」ことです。

身近な人に相談することも有効ですが、やめたいのにやめられない状態の時は、プロであるカウンセラーに悩みを話してみることで、心のモヤモヤが晴れることが期待できます。

依存に悩んだら手軽にできるオンラインカウンセリングを

インターネット依存症の中でも、スマホ依存は増加傾向にあります。しかし、相談できる機関はまだまだ少ないといえるでしょう。

特に社会人のスマホ依存は、なんとなく自覚をしていても制限なく利用することが多く、一人で悩んだ末に、結局はまたスマホを触ってしまうという悪循環を招きます。

自分の状況を知り、客観的視点によるサポートが受けられるカウンセリングは、大人のスマホ依存を心配する方にとっても、心強い味方となるでしょう。

オンラインカウンセリングの強み

オンラインカウンセリングはスマホからでも利用できます。

スマホ依存の相談をスマホでするのはちょっと…と思われるかもしれませんが、カウンセリングを受けている間はカウンセリングのみに集中することができ、ながら動作の防止に繋がります。

オンラインカウンセリングを予約し、カウンセリングを受ける。この前後にメールのチェックなど、生活に必要なスマホでのアクションを、まとめて行うと決めておけば、オンラインカウンセリングを受けることを中心として、スマホを触る時間制限を習慣化することも可能になります。

まとめ

この記事では、インターネット依存症の中でも、スマホ依存に焦点を当てて解説をしました。

やめたくてもやめられないと悩んでいる方は、ぜひオンラインカウンセリングで相談してみましょう。

スマホ依存の悩みを相談できる
mezzanineのカウンセラー

 
メザニンコラムを発信している「mezzanine」では、オンラインカウンセリングを提供しています。

ご自宅から、専門性の高いカウンセラーからのカウンセリングを受けられます。

メザニン登録カウンセラー
佐々木 隆嘉 Takayoshi SASAKI
臨床心理士、公認心理師

会計事務所での勤務など、様々な社会人経験を経たのち大学院に入学。修了後、医療・教育領域をメインに業務にあたっています。

【メッセージ】
話をしても何も解決しないかもしれない、話すこと自体がつらい、カウンセラーと合わないかもしれないなど、不安に感じることもあるかもしれませんが、一歩踏み出してご相談いただければと思っています。

あまり堅苦しくならず、ただ愚痴を話してまったりする時間にしていただいても大丈夫です。