ストレスとは「心身に過剰な負荷がかかって歪みが生じること」です。
現代のビジネスパーソンは、日々たくさんのストレスにさらされています。ストレス状態が続くと、心身に悪影響を及ぼします。
今回は、ストレスを抱えやすい人の特徴やストレスの原因、お手軽な対処法なども紹介します。
ストレスを抱えやすい人の7つの特徴
ストレス耐性に強い人もいれば、ストレスを抱えやすい人もいます。
生まれ持った性格や育った環境によって、ストレスを感じる度合いも変わってきますが、ここではストレスを抱えやすい人の特徴を7タイプご紹介します。
1.完璧主義
何ごともきっちりと正確に仕上げないと気が済まないタイプの人は、普段からストレスを抱えやすい傾向があると言えます。
例えば、業務に関連する資料や提出物などに関しても、細部にこだわりすぎるがあまり、時間や労力が過剰にかかってしまい、自分の業務を圧迫しさらに負担が増えるなど、ストレス要因を作りやすくなると考えられています。
2.コントロール主義
何ごとも自分の思い通りにしたいという欲求の強い人は、他者が自分の思い通りに動いてくれないことや、チームでの作業が思い通りに進まないことに強くストレスを感じることがあります。
コントロール主義の傾向がある人は、失敗の不安や恐れから他者が自身の考える通りに行動することを念頭に置いたスケジュールを立てる場合も多いため、思い通りに進まないケースではストレスを感じやすく、周囲から孤立してしまうこともあるでしょう。
3.否定的/ネガティブ
物事や状況に対し、常に否定的な意見やネガティブな見方をしてしまうタイプの人も、ストレスを抱えやすいといえるでしょう。
チーム内での意見や、新たなチャレンジに対し否定的や悲観的な意見を返してしまうことで、余計な軋轢が生じ、ストレスを増やしてしまう場合もあります。
4.責任感が強すぎる
責任感が強すぎる人は、自分や他者に対しても高い期待を持ち、その期待に応えようとするために大きなストレスを感じることが多いです。
自分に対して高い基準を設けてしまうことで、常にプレッシャーを感じてしまったり、周囲からの期待や要望に応えようとして頑張りすぎてしまい、ストレスを抱えてしまいます。
5.自己評価が低い
自分に対し常に否定的な見方をしてしまい、他者と比較したり、評価を過度に気にしすぎることがストレスになってしまいます。
自分の行動や成果に対し低い評価をしてしまうため、常に不足感を感じてしまいます。また、自分の能力への信頼感が低いため、失敗を恐れ新しいことに挑戦することを躊躇います。それが 更に自己評価を下げるという悪循環になり、ストレスとなってしまいます。
6.こだわりが強い
こだわりが強い場合は新しい状況や環境に適応するのが難しため、問題やトラブルに直面すると、強いストレスを抱えやすいです。
また、自分の考えや方法に固執してしまい、チーム内で協力したり柔軟に対応することが難しいため孤立しやすくなり、余計なストレスを抱える場合があります。
7.感情的
感情的な人は、感情のコントロールが難しく、怒りや悲しみなどの強い感情に引っ張られてしまうことでストレスを感じやすくなってしまいます。
また、他者からの支援や理解を強く求める傾向があり、過度に依存してしまうことで却ってストレスを抱えてしまう恐れがあります。
ストレスの原因となるもの5つ
自分が抱えやすいストレスの特徴が把握できたら、次はストレスが発生しやすい原因は何なのかを理解しておきましょう。
ストレスにある程度耐性があると思っている人でも、いつどこでストレスを抱えてしまうか分かりませんので、原因を知っておくことで正しく対処できるでしょう。
1.業務の多さ
仕事の量が増えると時間が足りなくなり、心にも余裕が無くなります。また、1人がイライラしだすと、その波は一気に広がります。
終わらない業務を片づけるための残業も増え、プライベートな時間が圧迫されることで、リラックスできる時間が減ってしまうので、疲れがたまってしまいます。
2.職場の人間関係
職場の人間関係はストレスに直結します。上司や同僚とコミュニケーションが上手く取れず職場で孤立してしまうことで、ストレスを感じやすくなります。また、上司のハラスメントなどもストレスの大きな原因となります。
3.仕事内容への不満
自分のスキルに合わない部署で働くことになったり、給与などの待遇が悪いなどの不満からストレスを感じることもあります。
また、仕事の責任の重さや失敗できないプレッシャーを常に感じながら働き続けることもストレスの原因となります。
4.将来やキャリアへの不安
大きな叱責を受けたり、同僚や部下が自分より評価されたりすることで、キャリアへの不安がストレスになる場合があります。
また、結婚や出産などプライベートな状況の変化により、将来への不安が出てくることでストレスを感じてしまうケースもあります。
ストレスを放置してしまうと…
仕事でのストレスはゆっくり溜まっていくので、いつか対処しようと思っていたら取り返しのつかないことになっているケースも少なくありません。ストレスを放置しておくと様々な面に悪影響を及ぼすので注意が必要です。
身体への影響
ストレスを放置すると身体にも影響が出てきます。主な症状としては
- 頭痛
- 吐き気
- めまい
- 不眠
- 食欲不振
- 動悸
などがあります。また、ストレスによって様々な病気のリスクも高まると言われています。
精神への影響
ストレスにより、感情が不安定になりちょっとしたことでイライラしたり、急に悲しくなり涙が出てきたりします。また、仕事が嫌いなわけではないにも関わらず、やる気がなくなってしまったり、原因不明の倦怠感などで思うように身体が動かなくなる場合もあります。
生活への影響
ストレスを発散しようと大量の飲酒に走ってしまうと、睡眠の質が浅くなったり、二日酔いなどで思うように動けなくなったりします。同じように、過剰喫煙や暴飲暴食で体調を崩すことも考えられます。
また、イライラを引きずったまま家に帰ることで、家族や友人などに八つ当たりしてしまい、不用意に傷つけたり、関係性が変化してしまうケースも少なくありません。
職場への影響
ストレス状態が続くと集中力が低下する場合があり、業務で思わぬミスを繰り返してしまったり、判断力の低下から思わぬ事故を引き起こしてしまう可能性もあります。
また、睡眠不足による遅刻や体調不良による欠勤などを繰り返してしまい、職場全体に迷惑をかけてしまう恐れもあります。
ストレスチェックをしてみよう
ストレスが溜まってきたと感じたら、「ストレスチェック」を行ってみましょう。
ストレスチェックをすることで、自分の今のストレス状態を調べることができます。ストレス状態が把握できれば、度合いに合わせた対処法を取ることができます。
ストレスチェック制度
ストレスチェック制度とは、企業が従業員のストレス状況を把握し、その情報を従業員に伝えることで自身のストレスに気づき改善する手助けをする仕組みです。
この制度は、働きやすい職場環境の整備と、従業員のメンタルヘルス不調の予防を目的としています。ここに、厚生労働省の作成したストレスチェックがありますので、是非試してみてください。5分程度で終了します。
厚生労働省「5分でできる職場のストレスセルフチェック」
ストレスチェックの結果が「高ストレス」だった場合、医療機関を受診し医師などの専門家に結果を相談してみると良いでしょう。
お手軽で効果的な解消法9選
少しでもストレスを感じたら、早めに対処していくことが大切です。ここでは簡単にできるストレス解消法を9個ご紹介します。
1.睡眠
ストレスが溜まっていると感じたら、とにかく休むことです。睡眠には、身体疲労の回復だけでなく、免疫力を向上させたり、抑うつなどの精神疾患の改善や予防にも効果があります。
また、睡眠により記憶力や集中力が向上するので、業務でのミスを減らしたり作業効率が上がるなどのメリットもあります。
2.運動
身体を動かすことで、セロトニンの分泌が増え、不安やうつ症状が軽減されると言われています。また、運動することで程よく疲れ、睡眠の質の向上にもつながります。
集団で行なうスポーツなどは人と関わることでよりストレスを発散でき、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
3.瞑想
近年話題の瞑想もストレス解消に大変効果的です。瞑想というと難しいのではないかと感じるかもしれませんが、ここでは「呼吸」を意識した瞑想のやり方を簡単に紹介します。
① 背筋を伸ばして座り、目を軽く閉じるか、少し開けて斜め前を見ます。
② 鼻からゆっくり息を吸います。息を吸うときに、お腹や胸がふくらむのを感じます。呼吸は自然に任せ、自分が楽なようにしてください。
③ 口からゆっくり息を吐きます。息を吐くときに、お腹や胸が縮むのを感じてください。
呼吸だけに意識を集中します。呼吸をしている最中にもし雑念が浮かんできたら、心の中で「雑念だ」とつぶやき、雑念が出てきたことを受け入れ、再び呼吸に集中します。呼吸の瞑想は1日5〜10分ほど行い、慣れてきたら時間を長くしても大丈夫です。
4.日記を書く
その日起きたこと、感じたことを日記に書くことでストレス解消につながります。書き方に決まりはなく、とにかくストレスに感じたことをひたすら書くことで、スッキリしますし、内容を客観視できますので、ストレスの解決法や自分の悩みが大したことではないと気づかせてくれる場合もあります。
5.映画を見る
映画を見ることでストレス解消になります。時間がある場合スマホなどではなく、映画館に足を運んで見てください。
2時間近く物語の世界に没入できる環境は、非現実感を体験でき、感動することでストレスを発散させてくれます。映画館だけでなく、コンサートや演劇なども大変効果的です。
6.おいしいものを食べる
食欲を満たすことで、ストレスを軽減させてくれます。更に自分の好きな料理やはじめて食べるおいしい料理は五感を刺激し、更にストレス解消につながります。仲の良い同僚や友人、恋人と一緒においしいものを食べると会話も弾みます。
7.声を出して笑う
思い切り笑うことで、幸せホルモンと呼ばれる「ドーパミン」や「セロトニン」が分泌されると言われています。
また、副交感神経が優位になりストレスホルモンの分泌が低下します。さらに声を出して笑うことで呼吸が深くなり、必然的に深呼吸の状態になります。笑うことはストレス解消に大変効果的だと言えます。
8.湯船につかる
ストレス状態というのは、交感神経が優位な状態で、交感神経が優位だと心身が興奮状態になります。38°C〜40℃のぬるめのお湯にゆっくりつかることで、副交感神経が優位になり、興奮状態から解放され、ストレスを軽減させてくれます。
入浴時間は20分程度が望ましいとされていますが、長時間の入浴が苦手な方は10分程度でも効果が期待できます。
9.音楽を聴く
好きな音楽を聞くことも、映画や笑うことと同様に、幸せホルモンである「ドーパミン」や「セロトニン」の分泌を促してくれます。アップテンポな曲は活力を、優しくスローな曲は癒しを与えてくれます。歌うことが好きな方はカラオケなどで大声で唄うことで、更にストレスを発散できます。
これら9個の対処法は、ストレスを感じている人はもちろんのこと、普段ストレスを感じていない人にとっても健康的な生活を送る上でとても有効なものばかりですので、是非試してみてください。
さらにストレスが増えるNGな解消方法
ストレスが溜まっている時に、さらにストレスを増やす行動として、
- 深酒
- 過度な飲酒や喫煙
- 暴飲暴食
- ギャンブル
- 寝すぎ
などが挙げられます。これらは、一見ストレス解消しそうに見えますが、健康状態や生活状況を悪化させ、日常生活や仕事のパフォーマンスを低下させてしまう恐れがあるので注意が必要です。
ストレスが溜まるのを未然に防ぐ
できることなら、ストレスを感じることなく毎日パワフルに活動したいと思っているビジネスパーソンは多いです。ストレスが溜まることを未然に防ぐことができれば、メンタル不調を起こさないで済みます。
1人で抱え込まないようにする
仕事で行き詰ったり、業務が多い場合には、上司や同僚に相談してみると良いでしょう。相談することで、解決策や効率化のためのアドバイスをもらえる可能性があります。コミュニケーションを取ることで、ストレスを未然に防ぐことができます。
専門家に相談してみる
ストレスを感じはじめた際に、同僚や友人などに話を聞いてもらったり、気の合う仲間とゆっくり過ごすだけでもストレス解消に繋がります。
職場や友人に相談しづらい場合には、カウンセラーなどの専門家に相談してみるのも有効な手段です。カウンセラーであれば、職場のことなどの話しづらい内容も気軽に相談することができますし、効果的なストレス解消のアドバイスをもらうことができます。
オンラインカウンセリングは予約も簡単
オンラインカウンセリングはインターネットにつながる環境であれば24時間、スマートフォンからでも簡単に予約が取れます。
また、オンラインカウンセリングは自宅で相談できるのもメリットです。
相談をするために移動する時間を省くことはもちろん、なによりリラックスできる状態で自宅などから専門のカウンセラーに相談することができるのが、オンラインカウンセリング最大のメリットです。
まとめ
今回は、仕事でストレスを抱えやすい人の特徴やストレスの原因、お手軽な対処法などをご紹介しました。
ストレスを全く感じないビジネスパーソンはほとんどいないと思います。まずはストレスチェックなどを活用し、自分のストレスを把握するところからはじめてみてください。
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