心と体の健康の悩み

メンタル不調に悩むあなたへ【電話相談】のメリットとデメリットを紹介

日常の忙しさやストレス、人間関係のトラブルなどから、メンタル不調に悩むことは誰にでもありますよね。そんなとき、心の中に溜まった悩みを誰かに話したいと感じることも少なくないでしょう。

しかし、実際にどこに相談すればいいのか、何を話せばいいのか迷うこともあるかもしれません。

この記事では、「電話相談」に焦点を当てて、その具体的な活用方法からメリットとデメリットから、その他の相談窓口やサービスについても詳しく紹介します。

電話相談とは

電話相談とは、電話を通じて様々なこころの悩みについて相談できる窓口です。専門の相談員があなたの話に耳を傾け、その名の通り電話で「相談」ができるサービスです。

相談内容は、人間関係の悩み、仕事上のストレス、家族関係、恋愛相談、うつ、不安障害など、多岐に渡ります。相談先は、公的機関が運営する相談窓口や、民間企業が運営する相談窓口など、様々な種類があります。

電話相談窓口の種類

いざ相談しようと思っても、どこに電話すれば良いか迷ってしまう方もいるかもしれません。ここでは、代表的な電話相談の窓口をいくつかご紹介します。

厚生労働省や各自治体の電話相談窓口

現在は、政府や自治体が提供する電話相談窓口も充実しており、信頼性の高い相談先として利用することができます。

こころの健康相談統一ダイヤル

厚生労働省が管轄するこちらのダイヤルでは、日本全国の各地域の精神保健福祉センターなどと連携し、メンタルヘルスの相談が受けられます。

電話番号: 0570-064-556
受付時間: 平日日中

なお、2021年1月11日より、公益社団法人日本精神保健福祉士協会、公益社団法人日本公認心理師協会がこころの健康相談統一ダイヤルの夜間対応として、以下の日時で相談を受け付けています。
※日時
相談可能日:月曜日~金曜日
相談可能時間:18時30分~22時30分(受付は22時まで)

初めての利用でも安心できるよう、各種ガイドラインがしっかりと整備されています。具体的な詳細は各自治体のWebページなどで確認することができます。

民間の電話相談窓口

NPOや社団法人など、様々な相談窓口があり、行政と連携している活動団体も多く存在します。ご自身の事情や時間帯など、希望に合った相談窓口を利用すると良いでしょう。

各種窓口の詳細については、厚生労働省ホームページ「まもろうよ こころ」をご覧ください。

電話相談のメリットとデメリット

この章では、電話で相談する際のメリットとデメリットをいくつかご紹介します。

電話相談のメリット

プライバシーの確保

電話相談の最大のメリットは、匿名で相談できることです。名前や住所を伝える必要がないため、周囲に知られることなく、安心して悩みを打ち明けられます。

誰にも言えない悩みを抱えている方、プライバシーを守りながら相談したい方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。

手軽さ

電話相談は、自宅や外出先など、場所を選ばずに利用できます。相談窓口によっては、24時間体制や深夜帯対応など、自分の都合に合わせて利用できる場合があります。

また、少しの空き時間でも利用可能であり、急な相談にもすぐに対応が取れる点が魅力です。移動の手間や時間が不要なため、仕事や火事で忙しい人でも気軽に利用できる点が魅力といえます。

緊急時の対応

突然のメンタル不調や緊急事態においても、受付時間内であれば電話相談を利用することができます。

問題解決よりも、とにかく話をしたいと思った場合は、電話相談にすぐにかけられることがメリットとなるでしょう。

電話相談のデメリット

感情やニュアンスが伝わりにくいことも

電話越しでは対面に比べて、細かい感情やニュアンスが伝わりにくい場面があります。声のトーンや話し方だけで感情を伝える必要があるため、相手に気持ちが伝わりにくく、表情や身振り手振りが見えないため、誤解や齟齬が生じる可能性もゼロではありません。

場合によっては制限がある

電話相談の中には、相談時間や回数が制限されている場合があります。限られた時間の中ですべてを話し切らなければならず、十分に相談できないと感じる人もいるかもしれません。

特に複雑な問題に直面している場合は、限られた時間内で解決するのが難しく感じられるかもしれません。

専門性の差

たとえば、厚生労働省が管轄するこころの健康相談統一ダイヤルなどは、精神保健福祉センターなどと連携していることから、相談員は精神保健福祉士が担当していることが多いようです。

精神保健福祉士は、精神保健福祉領域のソーシャルワーカーですので、臨床心理士や公認心理師とは役割に違いがあります。

また、電話相談は、あくまでも相談の場であり、問題解決を保証するものではありません。相談内容によっては、専門機関への受診が必要となる場合もあることを理解しておきましょう。

料金がかかる

一部の電話相談は有料で提供されるため、料金がかかる場合があります。電話相談を検討している場合は、経済的な負担を考慮しながら、適切なサービスを選ぶことが重要です。

継続しての利用が難しい

電話相談は顔出しをしなくても利用できる手軽さがある一方で、継続しての利用が難しいという側面があります。電話相談は、一度限りの相談で終わってしまうというデメリットが挙げられます。

また、顔出しをすることに抵抗があるケースでは、最初は電話相談を選択しても、顔の見えるオンラインカウンセリングなどに切り替えることで、問題解決につながることもあります。

電話相談の利用ステップ

悩みがある場合は一人で抱え込まずに電話相談などを利用して、誰かに悩みや不安を相談してみましょう。この章では、電話相談を利用する際のステップをご紹介します。

ステップ1.電話番号を確認し、必要な場合は予約を取る

まず、利用する電話相談窓口の番号を事前に確認します。

一部のサービスでは予約が必要な場合もありますので、併せてチェックしておくと良いでしょう。

ステップ2.リラックスできる場所を見つける

相談時には静かでリラックスできる場所を選びましょう。プライバシーが保たれる場所だと、より落ち着いて相談ができます。

ステップ3.話したい内容を事前にメモする

相談内容や質問をメモにまとめておくと、電話中に話がスムーズに進みます。また、伝えたいポイントを見失わずに済むため、より効果的に相談ができるでしょう。

窓口を選ぶ際に注目したいポイント

利用可能な時間

自分のライフスタイルに合った時間帯で利用できるかを確認しておくことで、焦らず無理なく利用することができます。

料金体系

無料で利用できるものもありますが、有料のサービスも多いため、事前に料金体系を確認しておくと安心です。

より良い電話相談のためのポイント

少しでも効果的で実りある相談にするためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

効果的なアドバイスを受けられるためのポイント

率直に話す

自分の感情や考えを率直に伝えることが大切です。最初からすべてを話そうとせず、まずは話しやすいことから伝えてみましょう。相談員は、あなたのペースに合わせて話を聞いてくれます。

また、答えたくない質問などをされた場合には、素直にその旨を伝えましょう。嘘をついてしまうと、適切なアドバイスが受けられなくなってしまう場合があります。

事前に準備する

伝えたいことを整理して、落ち着いて話せるように相談内容をあらかじめメモにまとめておくと、スムーズに話すことができます。話したい要点を明確にしておき、特に重要なポイントについては、自分なりの言葉で確認すると良いでしょう。

また、電話相談は時間が限られていることが多いため、最も重要なポイントを優先して話すように心がけましょう。そうすることで、時間内に十分なアドバイスをもらえます。

リラックスする

電話相談前にリラックスした状態を保つために、深呼吸や軽いストレッチをすると良いでしょう。リラックスすることで、自分の気持ちをより自然に伝えることができます。

また、周りの目を気にせず、リラックスして話せる環境で行なうようにしましょう。周りの音がうるさい場所や、他人の目が気になる場所では、落ち着いて相談できないことがあります。静かでリラックスできる場所を選び、時間に余裕をもって電話しましょう。

電話相談と他の相談方法との比較

電話相談以外にも、対面カウンセリングやオンラインチャットなどさまざまな相談方法があります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、自分に最も適した方法を見つける参考にしていただけると幸いです。


順番にみていきましょう

対面カウンセリング

対面カウンセリングは、カウンセラーと直接会って相談する方法です。直接会って話したい、じっくり相談したい人向けと言えます。

メリット

  • 感情やニュアンスが直接伝わるため、深いコミュニケーションが可能。
  • 表情やボディーランゲージを通じた理解が得られる。

デメリット

  • 物理的な移動が必要で、場所や時間に制約がある。
  • プライバシーの確保が難しい場合がある。

メール相談

専用(または既存)のメールを用いたカウンセリングです。会って話すのが苦手な人や自分のペースで相談したい、文章でまとめたい人向けと言えます。

メリット

  • 文字ベースのため、感情を冷静に整理しやすい。
  • 時間を問わずに利用でき、履歴を見返すことができる。

デメリット

  • 文章だけのやりとりでは、ニュアンスや感情が伝わりにくい場合がある。
  • 即時性が必ずしも保証されないことがあり、特に緊急時には不向き。

チャット相談

専用(または既存)のチャットツールを用いたカウンセリングです。気軽に相談したい人向けと言えます。

メリット

  • 気軽に相談しやすい。
  • 比較的料金が安い傾向にある。

デメリット

  • 文章だけのやりとりでは、ニュアンスや感情が伝わりにくい場合がある。
  • 深いコミュニケーションが取りづらい。

オンラインカウンセリング

ビデオ会議システムなどを使って、スマホやパソコンからオンラインでカウンセリングを受けられるシステムです。対面したいが、時間に余裕がない方などに向いています。

メリット

  • 気軽に相談しやすい。
  • 対面で相談できるので、深いコミュニケーションが可能。
  • 移動時間や交通費がかかる心配がない。
  • 回数制限などもない場合が多いので、納得できるまで利用可能。

デメリット

  • 電波の通信状態が悪いと上手くカウンセリングできない場合がある。
  • インターネット環境が必要である。

臨床心理士に悩みを話せる「オンラインカウンセリング」

スマホが普及した現在では、全国どこからでも悩みを話せる「オンラインカウンセリング」サービスが充実しています。

電話相談を検討している場合は、対面カウンセリングに不安を感じているケースが多いと思いますが、オンラインカウンセリングは自宅などから、リラックスした状態でカウンセリングを受けることが可能です。

また、メンタルヘルスのプロである臨床心理士はカウンセリングを通して、悩みの問題解決に向かうサポートを行います。

週に一度、継続的にカウンセリングを行うことで自分の感情や思考を整理し、自己理解を深めることができるでしょう。

まとめ

今回は、メンタル不調に悩む方向けに【電話相談】のメリット・デメリットをご紹介しました。電話相談は、匿名性が高く、時間や場所を問わずに利用できるというメリットがあります。

一方で、直接会って話せない、相談時間や回数が制限される場合があるなどのデメリットも存在します。

電話相談を利用する際は、メリット・デメリットをよく理解した上で、自分に合った相談窓口を選びましょう。そして、一人で抱え込まずに、心の負担を軽くする第一歩を踏み出してみましょう。

こころの不安を相談できる
mezzanineのカウンセラー

 
メザニンコラムを発信している「mezzanine」では、オンラインカウンセリングを提供しています。

ご自宅から、専門性の高いカウンセラーからのカウンセリングを受けられます。

メザニン登録カウンセラー
佐々木 隆嘉 Takayoshi SASAKI
臨床心理士、公認心理師

会計事務所での勤務など、様々な社会人経験を経たのち大学院に入学。修了後、医療・教育領域をメインに業務にあたっています。

【メッセージ】
話をしても何も解決しないかもしれない、話すこと自体がつらい、カウンセラーと合わないかもしれないなど、不安に感じることもあるかもしれませんが、一歩踏み出してご相談いただければと思っています。

あまり堅苦しくならず、ただ愚痴を話してまったりする時間にしていただいても大丈夫です。