心と体の健康の悩み

【限界かも…】心のバランスが崩れた時のサインと対処法

「仕事の山が減らない…」「上司の言葉に傷ついた…」

誰しも経験する、そんな日常のストレスが積み重なった時、私たちの心は悲鳴を上げ始めます。

しかし、多忙な毎日の中で心のサインに気づけず、心のバランスを崩してしまうケースも少なくありません。

本記事では、仕事で感じる様々なストレスが原因で心のバランスが崩れた時のサインをはじめ、健やかな毎日を送るための具体的な対処法について詳しく解説していきます。

心のバランスを崩す要因

心のバランスを崩す要因は様々ですが、この章では、比較的多い主な要因について3つのカテゴリーに分けて紹介します。

1.仕事関連の原因

過重労働

終わりの見えないタスクや、連日続く残業、現状に対して目標が高すぎるといった状況が続くと、ストレスが増し、心身に負担がかかります。また、自己能力を超えた仕事や、自分に合わない分野の仕事を任されると、焦りや不安感も生じやすく、心のバランスが崩れやすくなります。

職場環境

上司や同僚と円滑なコミュニケーションが取れない場合をはじめ、厳しいノルマや互いを監視といった殺伐とした社内風土などで、職場の空気があまり良くない場合、その環境になじめないことで心のバランスを崩す場合があります。

業績などのプレッシャー

適度なプレッシャーはパフォーマンスの向上に役立つこともありますが、過剰な業績目標が設定されると、「目標に達しなければ評価が下がる」「職を失うかもしれない」といった不安が大きくなり、心の余裕が失われます。

キャリアへの不安

将来への漠然とした不安や、上司や同僚からの評価に対する過敏な反応、給与や昇進に対する不安があると、自分にはこの仕事が向いていないのではないかと考えるようになり、心の安定が損なわれやすくなります。

2.私生活周りの原因

家庭のストレス

家族の介護や育児など、家庭内での負担が増えることが、重荷になっているケースがあります。特に、ライフステージが変化するタイミングでは、心のバランスを崩しやすくなります。

健康問題

風邪などで体調が悪いだけでも、仕事に影響が出るのではと不安になる場面は誰にでも経験があるかと思います。思いもよらず大きな病気に罹ってしまったり、事故やケガなどで長期の休暇を余儀なくされるとキャリアの心配や金銭的な不安も大きくなり、心に影響する可能性があります。

経済的プレッシャー

このまま物価が上がり続けると、生活が成り立たなくなるのではないか。貯蓄が十分ではなく、子どもの養育費や老後の生活費が足りないのではないかなど、将来的な支出に不安を感じると、生活全般に対して心配がつのり、心の安定を損なう原因になります。

身体に良くない生活習慣

不規則な生活や運動不足、食生活の乱れなどが精神的に影響を及ぼす場合があります。特に睡眠不足は、イライラや不安など感情面が不安定になる場合がありますので注意が必要です。

3.社会的な要因

社会的孤立

職場や私生活において、困りごとが起きた際に、相談できる環境がなく、望むようなサポートを受けられなかったりした時に、自分は社会からの孤立しているのではと考えてしまい心のバランスを崩す場合があります。

政治・経済の不安

社会情勢や経済状況が不安定である場合、それに対する将来への不安がつのり、自分の生活に悪影響が及ぶのではないかと不安が増し、心のバランスに影響するケースもあります。

ほかにも、仕事や日常の些細なことがきっかけなど、原因は状況や環境で常に変わっていきます。

次の章では、心のバランスが崩れた時のサインを紹介していきます。

心のバランスが崩れた時のサイン

心のバランスが崩れる原因は、人それぞれ異なります。しかし、共通して言えるのは、「いつも通りの自分」ではいられなくなるということです。

まずは、あなたの心と身体が発するSOSサインに気づいてあげましょう。

心のサイン

イライラしやすくなる

些細なことで怒りや不満の感情が抑えられなくなるなど、イライラしていることが増えたと感じる場合は、心のバランスを崩しているサインかもしれません。

不安感が強くなった

日常生活のささいな出来事や、仕事中も落ち着かなくなるほどの不安を感じる場合には注意が必要です。

集中力の低下

仕事に集中できず、ミスが増えてしまったり、周囲の話が頭に入ってこなくなったりすると、心に影響が出ている可能性があります。

自分を責めてしまう

自分のミスではない場面でも「自分の頑張りが足りなかったから」と思い込んでしまったり、同僚や上司の機嫌が良くないときに「自分のせいなのでは」と感じてしまい、自分を責めてしまうことがあります。

孤独感

周囲とうまくコミュニケーションが取れず、孤立してしまったと感じることがあると、

周りと話すのが億劫になり、一人で抱え込んでしまうことが多くなる場合があります。

趣味への興味関心の低下

以前は楽しめていた趣味などが急に楽しくなくなってしまったり、色々な物事にあまり興味や関心が湧かなくなってしまったら注意が必要です。

身体のサイン

慢性的な疲労感

疲れやだるさが取れず、1日を通して調子が良いと感じることがほとんどないような場合は、心の疲れが身体に表れている場合があります。

睡眠障害

なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまう場合も心の不調のサインかもしれません。

また、しっかり寝たはずなのに寝覚めが悪い場合や、日中に強い眠気におそわれる場合も睡眠障害の可能性がありますので一度睡眠外来などを受診してみるのも良いでしょう。

食欲不振・過食

急に食欲がなくなったり、食事があまり美味しいと思えなくなった場合には心の調子が良くない可能性もあります。

また、逆に過剰に食べてしまう場合も注意が必要です。特に味の濃いものや、刺激の強い食べ物を過剰に欲しくなる場合はストレスが原因の可能性もあります。

そのほかの体調不良

頭痛や、胃の痛みなどの体調不良が続く場合や、動悸や息切れなども精神的なストレスが原因で起こる場合があります。

症状が数日続くなどの場合は、医療機関の受診を検討しましょう。

アルコール・タバコ量の増加

お酒やタバコは依存性があり、ストレスを感じるとつい手を伸ばしてしまうものです。過剰に摂取すると結果的に、余計に体調不良になり、ストレスを抱えてしまう可能性もあります。

これらのサインに複数当てはまる場合、心のバランスを崩している可能性があります。「まだ頑張れる」「自分は大丈夫」と無理をせず、早めに対処することが重要です。

心のバランスを崩したままにするとどんな影響があるのか

心のバランスが崩れたまま放置すると、より深刻な状態に陥り、仕事や日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

仕事への影響

生産性の低下

心が不安定な状態では集中力や注意力が欠け、今まで簡単にできていた業務に時間がかかってしまったり、生産性が低下することがあります。

コミュニケーションの問題

ストレスや不安が原因で、イライラしやすくなったり、言葉遣いが乱暴になったりすることで同僚や上司とのコミュニケーションがうまくいかなくなる可能性があります。

モチベーションの喪失

心のバランスを崩すとやる気が減少する場合も多く、プロジェクトやタスクを進めていく意欲がなくなることがあります。また、キャリアアップへの意欲も下がってしまうことで、昇進や転職に影響が出る可能性もあります。

判断力の低下

心のストレスが重なることで、適切な意思決定ができなくなることがあります。危険を伴う業務や責任ある立場の場合、大きな事故やトラブルにつながる可能性もあります。

頻繁な遅刻や欠勤

心理的ストレスから体調不良になることで、遅刻や欠勤を余儀なくされたり、場合によっては休職の検討が必要になることもあります。

私生活への影響

健康への影響

精神的な不調が慢性化すると、睡眠障害や食欲不振など身体的な健康にも影響を及ぼすことがあります。その結果免疫力が低下し、更に体調を悪化させる場合もあります。

趣味や活動への興味の喪失

心のバランスが取れないと、趣味に興味がなくなってきたり、楽しみを感じにくくなることがあります。ストレス解消がうまく行えないと、メンタル不調を悪化させる可能性があります。

感情の不安定さ

小さなことでも過剰に反応してしまったり、他人の言動が気になりすぎたり、理由もなく涙が出てきてしまうなど、感情をコントロールできなくなる場合があります。

孤立感の増大

家族や友人ともコミュニケーションを取るのが億劫になり、その結果、他者との関わりを避けるようになることで、孤立感が深まることがあります。

心のバランスの崩れは、自分自身だけでなく、周囲の人々にも影響を与える可能性があるので、早めに対処していくことが大切です。

心のバランスを取り戻すために、今すぐできる対処法

心のバランスを取り戻すためには、自分自身の状態を客観的に把握し、自分に合った対処法を見つけることが大切です。

ここでは、すぐに実践できる具体的な対処法を5つのカテゴリーに分けてご紹介します。

1.休養とリフレッシュ

まずは十分に睡眠を取ることを心がけましょう。厚生労働省が推奨している成人の適切な睡眠時間は6〜8時間と言われています。

気持ちよく眠るために睡眠環境を整えることも大切です、また、睡眠前に刺激が強すぎるSNSなどは極力見ないようにし、ゆっくりと過ごすことが大切です。

好きな音楽や映画を鑑賞したり、好きな本を読むのもよいでしょう。また、リラックスできる時間を作るのも心のバランスを取り戻すのに有効です。

ほかにも、ウォーキングやストレッチなど、軽い運動で気分転換を図ることもおすすめです。運動が苦手な方は公園を散歩したり、緑に触れるだけでもリラックス効果があります。

2.思考の転換

心のバランスが崩れ始めたときは、マイナス思考になったり極端な考え方をしてしまうことがあります。

例えば上司からミスを注意された場合にも、自分自身が否定されたような気持ちになってしまう場合がありますが、指摘されている部分はミスそのものであって、あなた自身やあなたの人間性ではないということを理解しましょう。

心を軽くするリフレーミング

「リフレーミング」とは、ネガティブな物事を再解釈することでポジティブに転換する思考トレーニングです。

例えば、ミスをして上司に咎められてしまい辛かったけど、よくよく考えてみれば、ミスのおかげで自分を成長させてくれるきっかけになったと捉えなおすことで、前向きになります。

ポジティブシンキングは、ネガティブな出来事を正面から捉えずに無理やりポジティブに考える側面がありますが、リフレーミングは出来事を正面から捉えた上で、再解釈を行うのでストレス軽減に加え自己成長も期待できます。

3.自己理解を深める

自分を見つめなおすのも、心のバランスを保つのに大変有効です。効果的な方法としては、旅行に出かけて、知らない土地や文化に触れたり、旅先で交流することで、新たな発見や気づきを得られる可能性が高いです。

あまり時間やお金を掛けられない場合には、日記をつけるのも良いでしょう。長い文章を書く必要はありません。箇条書き程度で結構ですので、今日起きたこと、感じたことなどを書くだけで自分を見つめ直すことにつながります。

感謝日記

今日1日を振り返り感謝したことを書くことで、物事をポジティブに受け止められるようになります。感謝は「挨拶を返してくれた」「お菓子をくれた」など些細なことで構いません。これにより、相手の良い面が見えやすくなります。

感謝することが思い浮かばない場合は「今日も1日元気に働けてありがとう」「ご飯が美味しくてありがとう」など、日常のことでも構いません。当たり前の日常に感謝することで、気持ちが軽くなるかもしれません。

4.環境の変化

引っ越しなどで居住環境を変えることも気分転換やモチベーションアップにつながる可能性があります。

また、現在の職場でストレスを感じているような場合は、上司に配置転換や異動を相談してみるのも一つの手です。

職場環境や人間関係、業務内容が変われば、それだけで心のバランスが戻ってくる可能性もあります。

それでも心のバランスが戻らない場合には、休職や転職を検討してみても良いかもしれません。

5.専門家のサポート

上記の対処法を試してみて、「なかなか改善しない」「一人で解決するのが難しい」と感じる場合は、無理をせず、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

精神科・心療内科

心のバランスを崩した結果、メンタル不調が続く場合や、睡眠障害や摂食障害などうつ症状や精神疾患などが疑われる場合は、専門医の診察を受けることをお勧めします。

カウンセリング

心の専門であるカウンセラーに話を聞いてもらい、心のケアを行うことは大変効果的です。専門の知識を持ったカウンセラーがあなたの悩みに寄り添いながら、バランスを取り戻すためのサポートを行います。

もし、カウンセリングを受けるのは手間がかかるのではないかと感じている場合は、手軽に利用ができるオンラインカウンセリングを検討してみるのもよいかもしれません。

オンラインカウンセリングのメリット

オンラインカウンセリングは、リラックスできる自宅などから、スマートフォンがあれば手軽に利用することができます。

オンラインカウンセリングの大きなメリットは、場所を選ばず利用できることです。リラックスできる自宅からアクセスできるため、ストレスを感じにくい環境で相談することができます。また、比較的予約が取りやすく、忙しい日々の中でも無理なく続けられる点も大きな特徴です。

まとめ

日々プレッシャーと戦いながら業務に励むビジネスパーソンにとって、心の健康を維持することは、生産性やパフォーマンスを最大限に発揮するためにも非常に重要です。

しかし、仕事は人生における重要な要素の一つですが、決してすべてではありません。

大切な心と身体を労わり、バランスが取れた健やかな毎日を送るための一歩を踏み出してみましょう。

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