人生の悩みなど

「仕事と介護の両立」30代・40代で介護離職を考える前に

家族の介護問題に直面し、仕事の両立に悩む30代、40代のビジネスパーソンが増加しています。

この記事では主に、30代、40代が仕事と介護を両立するためのポイントを紹介していきます。

自分のキャリアを含めた仕事と、いきなり訪れる「介護」をどのように両立していくかに悩んでいるビジネスパーソンや、介護をすることになった場合のポイントを知っておきたいという方は、ぜひ参考にしてください。

仕事と介護を両立している労働者は365万人

総務省が2023年にまとめた「就業構造基本調査の結果」では、介護をしている者は628.8万人で、うち有業者は364.6万人。

過去10年間の推移をみると介護をしている者は2012年から2017年にかけては70万人増加しており、2017年から2022年にかけては1万人の増加となっています。


総務省 2023年就業構造基本調査の結果 図4を加工して作成

介護休業取得の労働者の割合は?

では、介護休業取得についてもみていきましょう。

厚生労働省公表した2022年度雇用均等基本調査の中の「介護休業者割合」をみてみると、常用労働者に占める介護休業者割合は、2022年で女性は0.10パーセント、男性は0.04パーセントとなっており、2019年と比較すると男女ともに減少しています。


厚生労働省 2022年度雇用均等基本調査 表12をグラフに加工して作成

増加傾向にある隠れ介護

経済産業省は、仕事をしながら家族等の介護に従事する者を「ビジネスケアラー」と呼び、2024年には240万人にのぼると予想しています。

その中でも、介護休業の取得のしにくさなどの影響もあり、「介護をしている」という状況を会社に報告せずにがんばってしまう、隠れ介護が増加しています。

企業側の介護への理解が不十分である

企業側が介護に対する理解が不十分な場合、従業員は自身が介護をしている状況を公にすることに抵抗感を抱くケースが多いとされています。

特に30代では、同世代や年齢の近い先輩たちでも介護未経験の状況が多いため、周囲の理解を得にくいと感じることが、隠れ介護につながっていると考えることができるでしょう。

30代・40代は自分自身のキャリアについても考える時期

30代、40代は人生の中でも仕事のキャリアを積み上げる時期となりますが、企業や他の従業員の介護に対する理解や対応策が不十分であれば、仕事と介護のバランスを調整することが難しくなります。

これらの要因が複合的に影響し、隠れ介護が増加していると考えられており、仕事と介護の両立に限界を感じているビジネスパーソンは「介護離職」を検討するようになっていきます。

介護離職を考える前に

隠れ介護や介護離職にならないためには、仕事面でできる準備や対処法はあるのでしょうか。

家族以外のコミュニティを持つことの重要性

まず、介護離職を視野に入れている場合は、家族以外のコミュニティの重要性について確認してみましょう。

介護をしていく中で、介護をする側が会社という組織に所属していることは、介護と適度な距離を置けるコミュニティを持つという観点でも非常に重要な役割を担います。

家族とは別のコミュニティに所属していることは、メンタルヘルスにもよい影響を与えると考えられています。

柔軟な労働条件の検討

仕事において、リモートワークや柔軟な労働時間の取り決めが可能であれば、上司や人事を交えた面談などを設定して交渉してみましょう。

仕事の内容や状況によってはリモートワークなどを設け、働き方を柔軟にすることで、仕事と介護を両立しやすくなります。

また、スケジュールを立て、優先順位をつけることで、限られた時間を有効に使うこともできます。

仕事と介護のバランスを取りながら、調整ができるように取り組んでみましょう。

30代・40代で介護に直面した時にどうするか

仕事に関する悩みを相談するのにも、なかなか言い出せないと感じている30代、40代のビジネスパーソンも少なくありません。

会社という組織が抱える問題とも言える「相談しにくい環境」では、介護をすることになったと報告する事はとても勇気がいることです。

社内で前例があるかを調べてみる

まず、社内で仕事と介護を両立している従業員の前例があるかどうかを確認してみましょう。

前例があれば人事も状況を把握しやすく、話がスムーズに進むことが期待できますが、介護をしながら仕事を続けていたという前例がない、そもそも組織内での介護についての知識や共有が乏しいケースも考えられます。

家族の介護が始まると、さまざまな手続きが必要になってきます。社内外での話し合いなどで時間を割く機会が増えることが予想されますので、できることから順番に進めていきましょう。

地域包括センターへの相談でつまずく

介護をすることになった場合に情報収集をしていると、まず「地域包括センター」に相談するという項目を多く目にするかと思います。

しかし、一般的に地域包括センターの対応時間は、早い所では17:00まで、長くても19:00までというところが多いため、しっかり相談するにも利用しにくいのが現状です。

では、介護についての準備や知識がない状態では、どのように動けばよいのでしょうか。

病院の「相談窓口」を利用する

介護に関する手続きに不安を感じている時は、病院の「なんでも相談室」や医療ソーシャルワーカーの存在が、介護に関する情報やサポートを得るために利用できる重要なリソースとなります。

状況に適したサービスや支援を受けるためには、正しい情報を手に入れることが不可欠です。病院や医療機関が提供する相談窓口では、適切なアドバイスや必要なサポート、そして手続きについて説明を受けることができます。

わからない事はなんでも聞いてみる

市役所や区役所での申請をしていく上でも、初めて介護に関わる場合、手続きやサービスの詳細がわからないことがあります。

その際に、病院の相談窓口で基本的な情報を得たり、適切な方向性を示してもらうことは非常に有益であるといえるでしょう。

介護をする側のこころと身体の健康について

介護をする上では、身体的・感情的な負担によりメンタル不調に陥るケースもあります。

この章では、介護をする側が自分の心と体の健康を保つためにできることについて紹介していきます。

休息とリラックス

介護においては長時間にわたる肉体的な負担に加え、こころにも負担がかかることがあり、ストレスを抱え込むケースもよくあります。

そのため、定期的な休息とリラックスが不可欠だといえます。スケジュールを立て、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけましょう。

趣味やアクティビティを通じて気分転換を図り、心身をリセットすることが大切です。

完璧にはこだわらない

仕事と介護を両立していく上では、どちらも完璧に行うことにこだわらないように、自分を許容していきましょう。

仕事にも介護にも「こうすべき」「こうであるべき」というものはもちろん存在しません。家族の形がざまざまであるように、介護においてもより良い方法は異なってきます。

「介護をする側」の自分に対して優しく評価をしていきましょう。現段階でやれることに焦点を当てることで、無理なく続けることが可能になるでしょう。

メンタルヘルスのプロのサポート受ける

専門家のサポートは、メンタルヘルスケアにおいて有益です。

継続してカウンセリングを受けることで、ストレスが緩和されたり、自分の気持ちに向き合うことができるでしょう。

仕事と介護の両立で悩んだらオンラインカウンセリング

近年、多くのビジネスパーソンが仕事と介護の両立に悩んでいます。

仕事と介護をがんばりすぎてしまうと、ストレスの影響が仕事や健康に及ぶことが考えられます。そんな中では、オンラインカウンセリングが解決の手段となるかもしれません。

仕事と介護の両立で悩む、30代、40代のビジネスパーソンにオンラインカウンセリングがおすすめな理由は以下の通りです。

  1. 柔軟なカウンセリング対応時間
  2. プライバシーの確保
  3. 専門性と効果的なサポート
  4. スマホがあれば簡単にweb予約ができる

1つずつみていきましょう。

1.柔軟なカウンセリング対応時間

オンラインカウンセリングは、通勤時間や待ち時間に予約ができたり、すきま時間を有効活用してカウンセリングを受けられるため、時間の制約が軽減されます。

仕事と介護の両立で悩んでいる時でも、気軽にカウンセリングを受けることができます。

また、通院や訪問が必要ないため、スケジュールに柔軟性を持たせることができます。

2.プライバシーの確保

ビジネスパーソンにとって、仕事以外の悩みやストレスをオープンに話すことは難しいと感じるケースがあります。

オンライン環境でのカウンセリングであれば、プライバシーが確保されるため、周りに辛い気持ちや相談したい内容を聞かれる心配もありません。

3.専門性と効果的なサポート

仕事も介護も生活の一部として考える以上は、どちらかひとつの事で悩んでいるということは珍しいといえます。

オンラインカウンセリングでは、ビジネスと介護の両方に理解のある専門性の高いカウンセラーを選ぶことができるので、具体的な課題に焦点を当てたサポートが期待できます。

仕事と介護の調和は難しい点も多いものですが、オンラインカウンセリングはその手助けとなるでしょう。

4.スマホがあれば簡単にweb予約ができる

仕事と介護を両立する毎日の中では、予定を立てることが難しいケースもあります。

何か月も前から予約をしていたが、急な用事が入ってしまいキャンセルをすることになった。

外出はできないが、自宅であればある程度自由のきく時間がある

仕事から帰宅して介護が一段落するのが夜遅い時間で、なかなか話を聞いてもらう時間が取れない。

このように、介護をする状況や事情によって、思った時間になかなか休めない、休憩がとりにくいということがあるでしょう。

オンラインカウンセリングは、スマートフォンがあればどこからでも簡単に予約が可能です。

カウンセリングも比較的早い時間から夜の遅い時間まで対応していることが多いので、誰かに話をしたい、気持ちを整理したいと思ったら、利用することができます。

柔軟性、プライバシー、専門性の面で優れたサポートを提供するオンラインカウンセリングは、30代、40代の仕事と介護の両立で悩むビジネスパーソンの、メンタルサポートに有用であるといえるでしょう。

まとめ

今回の記事では、30代、40代が仕事と介護を両立するためのポイントを紹介しました。

仕事と介護の両立で悩むビジネスパーソンにとっては、バランスを取りながら生活することが重要な課題です。

仕事と介護の両立をしていく中では、「介護する側」である自分自身のメンタルヘルスを大切にしていくことも考えていきましょう。

仕事と介護の両立は、人生においても大きな挑戦となりますが、両立の悩みや辛い気持ちを抱えた時は、オンラインカウンセリングを利用することが大変効果的であるといえます。

 

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