仕事の悩み

「仕事を休みたい」部下から休職を相談された時の対処法とスムーズな職場復帰までのサポートを紹介

仕事を辞めたいわけではないが、特定のストレスで仕事に行くことが難しくなり、休職を検討するケースも少なくありません。

また、うつなどの症状がきっかけとなり、離職せざるを得ないような状況を防ぐためにも、部下のメンタルヘルスサポートは、上司にとっても重要な課題の一つといえるでしょう。

この記事では、部下から休職の相談をされた際の具体的な方法や、部下の職場復帰に向けたサポート方法を紹介していきます。

部下が上司に相談する割合は?

上司は部下に対し、業務上のサポートだけではなく、部下の抱える悩みや不安に対しても適切に向き合うことが求められています。

厚生労働省が2022年にまとめた「仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレスについて相談できる人の割合」の中で、実際に相談したことがある人の相談相手の割合を見ると、男性では「上司」が62.2%と最も高く、次いで同僚が60.8%、女性では「同僚が」66.4%と最も高く、「上司」は54.7%となっています。

参考 厚生労働省 労働安全調査(実態調査)結果の概要 個人調査第15表

この調査により、上司は部下から多くの面で相談を受ける立場にあることがわかります。

では、上司は部下からの休職の相談を受けた場合、どのように対処していけば良いのでしょうか。次の章で詳しくみていきましょう。

休職をするまでの流れ

この章では、部下がメンタル不調等で休職を願い出てきた場合に上司が行っていく対応を紹介していきます。

  1. 部下本人の話を聞く
  2. 医療機関を受診する
  3. 休職に必要な手続きを行う

順番にみていきます。

1.本人の話を聞く

部下から休職の相談を受けた場合、メンタル面も含めた健康状態のヒアリング行うとともに、まずは本人の抱えている不安や悩みにじっくりと耳を傾けましょう。その際には、プライバシーなどに配慮し、本人が話しやすい環境を作ることが大切です。

この時、上司の立場からのアドバイスなどは行わず、部下が話を終えるまでしっかりと耳を傾けていくことがポイントです。

また、話を聞く際には、部下が話をするペースに合わせた相槌などを取り入れることも効果的です。

部下が話し終えたら、思い切って相談してくれたことへの感謝と、上司としてできる限りの協力をするということを伝えましょう。

2.部下の医療機関の受診をサポートする

本人の話を聞いていく中で、睡眠不良や食欲の減退、集中力の低下などがある場合、休職には主治医からの診断書が必要な旨を伝え、専門の医療機関を受診するように促し、サポートをしてきましょう。

3.休職に必要な手続きを行う

本人から、休職期間はどの程度を予定し、その間どのような治療を行っていくのかなど、無理のない範囲でヒアリングを行います。

また、休職補に復職の希望があるかどうかも聞いておくとよいでしょう。また、後々のトラブルを避けるためにも、日付などが記載された書面でのやり取りを行うのが良いでしょう。

ただし、労働基準法には休職に関する定めはありませんので、会社によって休職できる期間や人数の範囲が異なりますので、必ず人事労務への確認を行った上で休職の判断を行うようにしましょう。

また、一般的には休職中は賃金の支払いが発生しない会社がほとんどのため、傷病手当金の申請を行うことになります。

傷病手当金は、給与の支払いがない休職期間に支給される手当で、1日当たり標準報酬日額の3分の2の額が、通算1年6か月の期間を限度として支給されます。

参考 全国健康保険協会 傷病手当金

休職における手続きは、基本的には部下本人が行いますが、必要に応じてサポートをすることで、本人も復職がしやすくなるでしょう。

部下の職場復帰に向けて

休職者への復職支援として、会社はどのような対応を取っていくことが必要なのでしょうか。また上司としてどのようにサポートしていけば良いか確認しましょう。

  1. 休職中も定期的に連絡を取る
  2. 復職規定の確認

1.休職中も定期的に連絡を取る

メンタル不調での休職の場合、本人に連絡を取ることが「迷惑なのではないか」と考えてしまい、距離を取ってしまうケースが多いようです。しかし、休職中に支援をすることは大切で、本人の職場復帰がスムーズになることが期待できます。

まずは本人の負担にならないよう、窓口となる担当者を決めて定期的に連絡を取るようにしましょう。そのうえで、休職中どのように過ごすか等の運用規定のようなものを作成し渡しておくことも大切です。休職は療養のための休暇なので、しっかりと治療に専念することを伝えることも重要です。

2.復職規定の確認

本人から復職の申請を受けた際には、主治医からの「復職可能」と記載された診断書と、4週間の生活リズム表の提出が基本的に必要となります。

その後、産業医または主治医との面接が行われ、人事担当者との面談を経て、日常生活の状況などを考慮しつつ、復職の可否と復職日が決定されます。

復職後は、元の職場に戻るケースが多いですが、本人の健康を配慮し異動となるケースもあります。

お互いに安心できるよう、適切な職場復帰支援プログラムを作成し、さらに復職に関する規定を就業規則に明記することも重要です。復職規定は、休職の発令だけでなく、休職中のサポートや復帰後のフォローアップまでしっかりと規定しましょう。

また、部下が提出した書類や会社が作成した書類は、適切に管理し必要な情報が迅速に取得できるように保管しておきましょう。 これにより、復帰のプロセスが円滑に進むだけでなく、法的な要件にも対応しやすくなります。

復帰後のフォローアップ

それぞれにあった柔軟な対応を心がけましょう

職場復帰後も、担当者や産業医による定期的な観察や支援を行い、復帰支援プランの再評価と見直しも行うようにしましょう。

また、復職後であっても、欠勤や遅刻や早退などが所定出勤日数の20%を超えるような場合は、再び休職し療養に専念するよう勧めることが望ましいといわれています。

相談される立場のあなたへ

日々、自身の業務をこなし成果を出しながら、部下の相談にも対応していくというのは決して容易なことではありません。

また、メンタル面での相談の場合、内容によっては社内の相談窓口の利用をためらう場合もあるでしょうし、家族や友人に仕事のことを話すのはなかなか難しいという事情もあります。

相談される立場の皆さんのメンタルケアのためにも、オンラインカウンセリングを利用してみるのも一つの手です。

スマートフォンから手軽に利用できるオンラインカウンセリング

オンラインカウンセリングは、忙しい生活に合わせて柔軟に利用できます。 スマートフォンを使って手軽にweb予約ができ、仕事の合間や帰宅後にカウンセリングを受けることができます。

また、インターネットに接続できる環境さえあれば、PCやスマートフォン、タブレットから利用できるため、移動する手間も省けます。

まとめ

今回は、部下から休職の相談をされた際の対処法や、復職までのアプローチ方法を、紹介してきました。

従業員のメンタルヘルスに係る問題は、多くの企業が抱えている課題といえます。その中でも相談される立場にある場合は、自身のメンタルケアもとても重要となってきます。

どうしても、責任ある立場になると自分の身体や心の問題は後回しにしがちです。ちょっと心が疲れているなと感じたら、気軽にオンラインカウンセリングを利用してみてください。

 

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