仕事の悩み

【仕事がつらい】気圧の変化で起こる「気象病」体調不良の原因と対策を詳しく解説

「気圧で頭痛が起こる」
「天候の変化で身体に痛みが出る」
「雨が降るとめまいがする」

雨の日や寒暖差が激しい時期に、なんとなく体調が優れず、仕事のパフォーマンスにも影響を与えていると感じるビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、最近耳にすることが多くなった「気象病」の原因と、自身でできる対策を解説していきます。ぜひ参考にしてください。

気象病とは

気象病(きしょうびょう)とは正式な病名ではなく、天候の変化によって引き起こされる心身の不調全般を指す言葉で、季節病や天気痛と呼ばれることもあります。

気象病には気圧や気温、湿度の変動などが関与しており、気管支喘息や関節リウマチなどの慢性疾患の症状が悪化することが報告されています。

気候変動が激しい日本では、多くのビジネスパーソンが気象病に悩まされており、特に梅雨の時期に強く症状がみられる傾向があります。

気象病が起こる原因

気象病が起こる原因は明確には解明されていませんが、内耳の三半規管や耳石器官が気圧の変化を感知し、その情報が脳に伝わることで、自律神経系が影響を受け、頭痛やめまい、疲労感などの症状が現れるとされています。

エレベーターで高層階に上がる際に、気分が悪くなるなどが身近な例として挙げられますが、これも気圧変化の影響によるものです。

周囲からの理解を得にくい気象病

気象病自体は正式な病名ではありませんが、例えば雨の日に膝が痛む場合、医療機関を受診すると「膝関節症」などの診断名がつくことがあります。

しかし、膝以外にも頭痛やめまいなどに悩まされているケースも多く、このような症状の総称が気象病であるといえるでしょう。

複数の症状を抱え、実際に体調不良を感じるビジネスパーソンの中にも、周囲の理解を得にくいと感じているケースがあるかもしれません。

気圧変動による影響は個人によって異なりますので、まずは自分自身で気象病についての理解を深めていきましょう。

気象病と気圧の関係

まず、気象病に大きな影響を及ぼす、気圧との関係についてみていきましょう。

低気圧と頭痛

低気圧が近づくと大気圧が下がるため、体内の圧力バランスに乱れが生じます。

頭痛は血管が拡張することで引き起こされるため、低気圧性頭痛は一般的に、片頭痛を悪化させる要因としても知られています。

通勤時に痛みが増すなど、低気圧の日は仕事に行くまでが辛いというビジネスパーソンも多いかもしれません。

気圧の変化で起こる関節痛

気圧の低下で関節内の圧力が変化することで、炎症や痛みが増すことがあります。特に関節炎を持つ場合は、天候が悪化する前に関節の痛みを感じるなど、気圧の変化に敏感な傾向があります。

気圧変動によるめまいや吐き気

気圧の変動が内耳の圧力に影響を与えることで、平衡感覚が乱れ、めまいが生じることがあります。また、気圧の急激な低下によって、めまいの他にも吐き気の症状が出る場合があります。

気象病と温度の関係

次は、気象病と温度の関係についてみていきます。

気象病と季節の変わり目などの寒暖差

急激な温度変化は、体温調節機能に大きな影響を及ぼします。特に外気温が急激に下がると血流が悪くなり、筋肉痛や関節痛を引き起こす要因となります。

低温による血行不良

例えば毎日のように雨が降る梅雨の時期は、湿度があがるため蒸し暑く、季節的にも気温変動が激しい時期です。エアコンの冷房やドライなどで身体が冷えることで血管が収縮し、血行不良を引き起こします。

職場の空調が寒いなどの場合でも、長時間がまんをしていると血行不良で足の痺れを感じるケースもあります。

高温と脱水症状

高温環境では、発汗により体内の水分と電解質が失われ、脱水症状を引き起こすことがあり、気象病の他にも特に夏場は熱中症に注意が必要です。

また、高温の時期は足がつる、いわゆるこむら返りが起こりやすい季節であるともいえます。ただでさえ寝苦しい夜にこむら返りを起こし、激痛で飛び起きたという経験をしたというビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

気象病と湿度の関係

高湿度と不快感

梅雨は「高温多湿」なため体温調節が難しくなります。また、湿度による不快感が多くの場面でつきまとう梅雨の時期は、他の季節と比較しても疲れやすい傾向にあります。

湿度が高いとカビやダニの繁殖が促進され、アレルギー症状が悪化することがあります。春の花粉が一段落ついたと思ったら、再び身体や目のかゆみなどに悩まされるビジネスパーソンも多いかもしれません。

湿度変化と関節痛

湿度の変化は、関節の炎症や痛みにも影響を与えることがあります。高湿度の環境では関節がむくみやすくなり、低湿度の環境では関節が乾燥しやすくなるため、どちらも関節痛を感じる原因となります。

では、次の章で気象病への対策を詳しくみていきましょう。

気圧変化による気象病対策

  • 小まめに気象情報をチェックする
  • 頭痛予防のために規則正しい生活リズムを保つ
  • 耳のマッサージで自律神経を整える
  • 気圧の急激な変化を予測するために気象情報をチェックする

1.小まめに気象情報をチェックする

天気予報や気象アプリを活用して、気圧の変化を事前に把握することが重要です。

特に気圧が低下する予報が出ている場合は、注意が必要です。アプリによっては、気圧の変化を通知してくれるものもあるので、自分に合ったツールを見つけておくとよいでしょう。

自宅と職場に距離がある場合は、両方の気象情報を把握しておくことも、気象病対策のポイントになります。

2.頭痛予防のために規則正しい生活リズムを保つ

規則正しい生活リズムは、自律神経を安定させるために不可欠です。毎日同じ時間に就寝、起床をすることで、体内時計が整い、ストレスが軽減されます。

また、バランスの取れた食事や適度な運動も合わせて行うことで、全体的な健康状態を向上させ、気象病の症状を緩和することが期待できます。

3.耳のマッサージで自律神経を整える

耳のマッサージは内耳の血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果があります。気象病の症状が辛い場合は、ぜひ以下の方法を試してみましょう。

  • 耳たぶを軽くつかみ、下にゆっくりと引っ張ります。これを5〜10回繰り返します。
  • 耳の上部を親指と人差し指でつかみ、円を描くように軽くマッサージします。これを5〜10回繰り返します。
  • 耳の後ろを指で軽く押しながら、円を描くようにマッサージします。これを5〜10回繰り返します。
  • 耳を前後にゆっくりと回します。これを5回ずつ繰り返します。
  • 耳全体を手でつかみ、軽く上下に引っ張ります。これを5〜10回繰り返します。

耳のマッサージは自宅だけはなく、職場でも簡単に行うことができますので、上記のマッサージを取り入れることで、気象病の症状緩和につながります。

マッサージは個人によっては他の体調不良に繋がる可能性もありますので、少しずつ取り入れて、自分に合った強さや回数で行っていくことがポイントです。

温度変化による気象病対策

  • 服装で温度調節を行う
  • 冬場は特に暖かい衣類を着用し、身体を冷やさないようにする
  • 夏場はこまめな水分補給と適切な冷房を使用する

1.服装で温度調節を行う

気温の変動が大きい日には、重ね着を活用して温度調節を行いましょう。脱ぎ着しやすい服装を選び、温度に合わせて調節することがポイントです。

急激な温度変化にも対応しやすいように、薄手のカーディガンやストールなどを携帯しておくとよいでしょう。

2.冬場は特に暖かい衣類を着用し、身体を冷やさないようにする

冬場は冷えが体調不良の原因となりやすいため、暖かい衣類を着用することが重要です。

特に、首、手首、足首の三つの「首」を温めることで、全身の冷えを防ぐことができます。また、保温性の高いインナーや靴下を活用することで、効果的に身体を温めることができます。

3.夏場はこまめな水分補給を

夏場は高温多湿の環境で体温が上がりやすく、熱中症のリスクも高まります。こまめに水分を補給し、体内の水分バランスを保つことが大切です。

外回りをする際は喉が乾く前に水分補給を心がけ、室内での業務の場合は職場の気温に応じて飲み物を選択していくことがポイントです。

たとえば、職場の空調が効きすぎるなどのケースでは、温かい飲み物を選択するなど、自分自身の体調に合わせた水分補給を心がけていきましょう。

湿度変化による気象病対策

  • 体温調節を意識する
  • 作業環境の見直し
  • 定期的に身体を動かす

1.体温調節を意識する

一般的に、湿度が高いと気象病の症状が現れやすいとされています。

湿度が高い環境では汗が蒸発しにくいため、体温が下がりにくい傾向があり、体温調節がうまくいかず体調不良になるケースが多くなります。

湿度が高い時期は麻や綿などの素材を意識し、アクリルやナイロンなどの合成繊維はなるべく避けて、風通しのよい服装を心がけてみましょう。

職場での服装も、動きやすいオフィスカジュアルを意識するとよいでしょう。動きやすく、快適な服装は体調管理に大きく役立ちます。

2.作業環境の見直し

気象病対策においては、快適な作業環境を整えることも重要です。

定期的に換気を行い、新鮮な空気を取り入れることで湿度を調整しやすくなりますが、個人の判断で難しい場合は、ハンディ扇風機などを利用するのも効果的です。

3.定期的に身体を動かす

定期的な軽いストレッチや散歩することで体温調節がしやすくなるため、気象病対策として取り入れていくとよいでしょう。デスクワークの場合30分に1回程度、立ち上がることで血行不良防止になります。

以上の対策を通じて、気象病による体調不良を軽減することができます。

もしも気象病の症状がひどい場合は無理をせず周囲に伝え、小まめに休憩を挟むことを心がけましょう。

また、対策をしていても気象病の影響で気分の落ち込みや不安が続く場合は、メンタルヘルスの専門家に相談することが効果的です。

気象病で気分が沈む場合はカウンセリングが効果的

気象病による気分の落ち込みや不安は、心理的なサポートを受けることで軽減することが期待できます。

また、最近では、オンラインカウンセリングサービスも充実しており、自宅から気軽に専門家のサポートを受けることができます。

オンラインカウンセリングは、忙しいビジネスパーソンでも時間や場所を選ばずに相談できる点がメリットですので、誰かに話したいと思ったときは、気軽にカウンセリングを受けてみましょう。

オンラインカウンセリングであれば、スマートフォンから予約も簡単に行うことが可能です。

まとめ

今回の記事では、気象病の原因や対策について紹介してきました。

気象病には気圧や温度、そして湿度が大きく影響しており、症状は個人によって大きく異なります。

自分の症状が何によるものなのかを把握することは、気象病対策しやすくなるだけでなく、こころとからだの健康維持にも繋がるでしょう。

また、気分が沈むなどの症状がある場合は、メンタルヘルスのプロとのカウンセリングを検討してみましょう。週に一度のカウンセリングが効果的です。

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メザニン登録カウンセラー
芹野 まり Mari SERINO
EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)、キャリアコンサルタント

医療機関に従事後、現在は企業向け産業保健業務の営業コンサルに従事。健康経営、産業衛生、メンタルヘルスなどを学びました。現在は企業の外部相談窓口(EAP)の相談も担当しています。

【メッセージ】
結婚、不妊治療、離婚、ペットロス、親の介護など哀しいことも楽しいことも悔しい思いもたくさん経験してきたことが、今となっては財産になっています。同じ経験をしていても一人ひとり思いや感情は違うものです。

安心してご相談いただける場所を提供できるよう、丁寧に寄り添っていきたいと思います。