会議で批判されて落ち込んでしまうときの「心のフィルター」の外し方

会議での発言や、作成した資料の内容について指摘を受けることは珍しくありません。
しかし、そうしたフィードバックの内容よりも、指摘や批判をされたこと自体に落ち込んでしまうことはありませんか。もしかしたらそれには「心のフィルター」が関係しているのかもしれません。
この記事では、なぜ批判されると過度に落ち込んでしまうのか、その原因となる「心のフィルター」について詳しく解説し、そのフィルターを外して前向きにフィードバックを受け止めるための具体的な方法を紹介します。
「心のフィルター」とは
「心のフィルター」とは、多くの情報の中から、自分の感情や考え方に合う特定の情報だけを選んで受け取ってしまう心の働きのことです。
例えば、上司があなたの企画書の些細な誤字を指摘したとします。その瞬間あなたはまるで、自分の能力全体を否定されたかのように感じてしまうかもしれません。これこそが『ネガティブフィルター』を通して、情報のネガティブな側面だけを誇張して受け取ってしまった結果であるともいえるのです。
「心のフィルター」には、指摘された部分や問題点を無意識に除外し、自分にとって都合の良いことばかりに目を向けてしまう「ポジティブフィルター」と、褒められた部分よりも、指摘されたことに意識が向きすぎてしまい、つい悲観的に考えてしまう「ネガティブフィルター」の2種類があります。
会議で批判されたときにかかる「心のフィルター」
この章では、会議で批判されたときに落ち込んでしまう「ネガティブフィルター」の種類について詳しく解説していきます。
全てダメだと思ってしまう「完璧主義フィルター」
ひとつのミスや批判で「全部ダメだ」と思い込んでしまうフィルターです。グレーゾーンが存在せず、「完璧でなければ全て失敗」と極端に物事を捉えてしまいます。
例えば、会議資料の一部分だけ指摘を受けたときに「この資料は完全に失敗」だと感じてしまい、自分には能力がないと落ち込んでしまうような場合があります。
決めつけてしまう「感情先行フィルター」
自分の感情によって物事を判断してしまったり、その瞬間の感情を事実だと思い込んでしまうフィルターです。
例えば突然、専門外の質問をされて上手く答えられなかったときに、「恥ずかしい」や「情けない」と感じてしまい、その結果、相手の信頼を失ったと結論付けてしまうような場合があります。
心の読みすぎ「深読みフィルター」
決めつけと似たような考え方に「深読み」というものがあります。これは、相手の言動を断片的に拾ってしまい、ネガティブに解釈してしまうフィルターです。
例えば、会議で発言したあとに沈黙があるケースを挙げてみましょう。実際には良い意見で全員が「なるほど」と納得しており、反対意見が出ていない状態ですが、沈黙があったことを「みんな呆れているんだ」と深読みしたしまい、落ち込んでしまう場合がこれにあたります。
自分のせいと思いすぎる「自分追い込みフィルター」
チーム全体の課題を自分だけの問題と捉えたり、トラブルが外的な要因にもかかわらず「自分のせい」として受け取ってしまうなど、身の回りで起こる問題の多くを「自分のせい」と思い込んでしまうフィルターです。自分に全く関係のないことにまで罪悪感を抱いてしまう場合があります。

「心のフィルター」がもたらすデメリット
「心のフィルター」がかかると、批判内容そのものよりも、批判をされたことで自分自身を否定されたという気持ちが先行してしまうことがあります。
その結果、恥ずかしいや悔しいと言った感情が強くなり、指摘された内容を冷静に理解することが難しくなります。本来なら落ち着いて考えれば解決できるはずのことも、感情的になってしまうことで解決策が見えなくなってしまうのです。
さらに、チーム全体の課題を自分一人で抱え込んでしまうことで、課題解決に時間がかかってしまったり、ストレスでメンタル不調を起こしてしまう可能性もあります。
心のフィルターを外せるようになれば、批判や目の前の課題に対して冷静に向き合うことができるようになります。
【シーン別】心のフィルターの外し方
ここからは、会議中と会議後、それぞれの状況下での心のフィルターの外し方やフィルターがかかってしまった際の対処法を紹介していきます。
会議中に冷静さを保つためのヒント
会議で批判を受けたり、自分の発言に意見が出ている最中に冷静になることは難しいかもしれませんが、「自分にはフィルターがかかっているな」とあらかじめ理解しておけば、対策を立てやすくなります。
事実と解釈を切り分ける
会議で、相手の口調が厳しかったり、険しそうな表情などをしていると、つい「責められている」と感じてしまう場合があります。しかしよく考えてみれば、それはあなたの意見や資料に対する質問や、純粋な指摘である可能性もあります。
例えば、資料の数字の間違いを指摘されたとしても、それは資料の誤りに対する指摘であり、あなたの能力や人格を否定するものではありません。この「事実」と「自分の解釈」を切り離して考えることで、「心のフィルター」を外すことができます。
否定されることもあると受け入れる
会議やプレゼンの場と言うのは、お互いの意見をすり合わせる場でもあります。自分と異なる意見を持つ人がいることは当然であり、他の人からの意見を聞き、すり合わせを行うことで、議論や資料の精度が上がっていくものです。
固い枝は強い風にあおられるとポキリと折れるのに対し、しなやかな枝は同じ風を受けても元に戻るように、「絶対に否定されてはいけない」と完璧を目指すのではなく、「どんなに良いものでも否定される部分はある」と心に余裕を持つことが大切です。
感謝の気持ちを持って、受け止める
批判されていると感じたとき、つい感情的に反論したくなることがあります。しかし、しっかりと指摘内容を確認せずに言い返してしまうと、さらに状況を悪化させてしまうかもしれません。
まずは、相手の意見をしっかりと受け止めることが大切です。批判を受けたときに「ありがとうございます」と意見をしてくれたことへのお礼を伝えることで、冷静になれる場合もあります。
また、お礼を伝えた上で自分の考えを述べるようにすれば、相手にも受け入れてもらいやすくなります。
会議後は冷静な振り返りでストレスを軽減
会議後は、会議中に比べて冷静に状況を受け止めやすくなります。そのとき心のフィルターを外して会議の振り返りを行うことで、ストレスを軽減できる可能性があります。
良かった点をみつける
心のフィルターがかかっていると、どうしても否定的な意見に気を取られてしまいます。そんなときこそ、評価された部分や良かった点を探すようにしましょう。
「時間通りにできた」や「質問に答えられた部分があった」など小さなことや、自分なりの評価でも構いません。良い点もあったと認識することが大切です。
相手の立場に立って考えてみる
上司や取引先から批判を受けたと感じた場合は、「なぜあのような批判をしたのだろう」と相手の立場に立って考えることが大切です。
相手の視点で振り返ることで、自分への批判だと感じていたものが「プロジェクトの成功」や「生産性向上のため」など、企画やチーム全体のことを考えての意見であったということに気づける場合があります。
それでも辛いときは…
心のフィルターを理解し対処法を試してみても、ネガティブな気持ちが改善しないような場合には、カウンセラーなどの専門家に話を聴いてもらい、心を整理したり、今の状況を相談してみることも大切です。
上司や同僚には相談しづらい会議での悩みも、カウンセラーであれば、安心して話すことができ、「心のフィルター」を外すための効果的なアドバイスを受けることもできます。
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まとめ
今回は、会議中に批判されたとき落ち込んでしまう原因となる「心のフィルター」について詳しく解説しながら、シーン別の心のフィルターの外し方を紹介してきました。
「心のフィルター」は、人間が本来持っている心の防御機能であり、決して悪いものではありません。
しかし、それにより本来のパフォーマンスを発揮できなかったり、ストレスを感じてしまうような場合には、心のフィルターを外せるようになっていた方が良いかもしれません。
自分一人では難しい場合や、ストレスをため込んでしまっているような場合には、カウンセラーなどの専門家に相談することも検討してみてください。