心と体の健康の悩み

【冬季うつ】なぜ寒くなると気分が沈むのか 知っておきたい5つの対策

近年、日本の夏は真夏日を観測する日も多くなり、暑さが和らぐと秋を感じる間もなくすぐに冬が訪れます。

急激な季節の変化はこころと身体にとって大きな負担となり、寒さや暗さが増すと、憂うつな気分になることもありますよね。

そこで今回の記事では、季節の変わり目や寒さで気分が落ち込む、不安を感じると悩むあなたに向けて、冬季うつについて知っておきたいことや対策を紹介します。

変わりゆく日本の四季

暑さによるストレスは、集中力を低下させ、仕事や日常生活に影響を及ぼすことがあります。また、夏には台風が発生し、低気圧による「気象病」に悩む方も少なくありません。気温の変化に伴い自律神経が乱れ、体調を崩しやすくなるのです。

そんな中、待ち望んだ秋がやってきます。涼しい風を感じることで、徐々にこころもリフレッシュされるでしょう。秋の訪れは、心身の調子を整える大切な時期ですが、気温の変化には注意が必要です。

秋が深まるにつれ、気温が下がり始めると、冬季うつの兆候が現れることもあります。特に女性は、ホルモンバランスの影響を受けやすく、冬季うつに悩む方が多いとされています。

待ちに待った涼しさのはずが…

涼しさが来た瞬間はホッとするものの、すぐにやってくる寒さや短くなる日照時間が、私たちのこころに影響を与えやすくなっているのです。

また、いざ涼しくなってみると、予想とは違った気持ちに包まれることがあります。涼しさが心地よいはずなのに、なんだか寒さとともに気分が沈む、夏と異なる疲労を感じるなどの症状があれば、それは冬季うつかもしれません。

冬季うつ(季節性うつ)とは

寒さや日照時間の減少が原因となり、主に10月から11月にかけて気分の落ち込みや不安感、倦怠感などの症状が現れる冬季うつは、気分障害に分類されます。

特に、日が短くなることで脳内の「セロトニン」という幸せホルモンの分泌が少なくなり、それが気分に影響を与えると考えられています。

冬季うつの主な症状

冬季うつ(季節性うつ)は、寒い季節特有の環境によって「うつの症状」が現れます。この章では、冬季うつの主な症状5つについてみていきましょう。

1.気分の落ち込み

冬季うつに最もよく見られるのが、気分の落ち込みです。以前は楽しめていた活動に対して興味や喜びを感じられなくなり、日常的に「何をしても楽しくない」「何もしたくない」と感じることが多くなります。

冬季うつによる気分の落ち込みは、寒さや日照不足、屋内で過ごす時間の増加による運動不足などが関係しており、「自分は何もできない」「価値がない」というようなネガティブな思考につながるとされています。

2.エネルギーの低下

冬季うつの症状には、エネルギーの低下も挙げられます。

普段ならやり遂げられるはずのタスクも、エネルギー不足から困難に感じてしまうことがあります。「やる気が出ない」「何もする気が起きない」といった感覚が強く、職場や学校でのパフォーマンスが低下することも少なくありません。

また、身体的にも「力が出ない」と感じることがあり、ちょっとした家事や日常的な仕事も億劫になります。

3.睡眠時間の増加

睡眠時間が増加するのも、冬季うつの特徴的な症状のひとつです。秋から冬にかけて過眠傾向が見られ、多くの人が「寝ても寝ても疲れが取れない」と感じます。

このような睡眠に関する症状は、冬季特有の日照時間の短さが原因とされており、特に眠気を引き起こすホルモンであるメラトニンの分泌が増加するため、冬季には眠気が強くなるのです。

4.食欲の変化

炭水化物や甘いものが欲しくなるという傾向も、冬季うつ特有の症状です。気分を安定させるホルモンであるセロトニンの分泌が促され、一時的に気分が改善されるため、炭水化物や甘いものが食べたくなるのです。

「冬は太りやすい」と感じる方が多いのも、このようなメカニズムが関係しているのかもしれません。

5.集中力の低下

冬季うつは、集中力や注意力にも影響を及ぼします。いつもなら問題なくこなせるはずの作業や仕事に対して集中できず、些細なことで集中散漫になるなど、簡単な作業にも時間がかかることにストレスを感じるでしょう。

集中力の低下は仕事や学業に支障をきたしやすく、効率が悪くなったと感じることで、さらに気分が落ち込むケースもあります。

自分の気分の変化に気づくことの重要性

冬季うつは「気分の波」ではなく、日照不足などの環境が影響するものですので、症状が軽いうちに気づき、適切な対策をとることが大切です。

冬季うつに向き合う方法

もし「このままだともっと気分が沈んでしまうかも…」と感じたら、無理せずにできる対策を少しずつ日常に取り入れましょう。

急に大きく変える必要はありません。小さな一歩から始めることが大切です。自分のペースで取り組むことで、こころと身体に優しい環境を整えることができます。

1.朝の光を大切に

日照時間が短くなる冬には、できるだけ朝の光を浴びましょう。自然の光を感じることで体内リズムが整い、気分も軽くなります。

朝日を浴びながら短い散歩をするなど、光を感じる時間を意識的に作ることで効果を感じることができるでしょう。

2.暖かい場所でリラックス

寒さは身体だけでなく、こころも冷やしてしまいます。家の中を暖かく保ち、ホットドリンクやお気に入りのブランケットで自分を包み込んであげましょう。

安心できる空間でリラックスタイムを持つことは、こころの緊張を和らげる素敵な方法です。また、冬の夜には、ゆっくりと温かいお風呂に浸かることもおすすめです。入浴剤を日替わりで楽しむなど、あなたのこころと身体が温まるひとときを作りましょう。

3.規則正しい生活を心がける

規則正しい生活を心がけることは、冬季うつの予防に有効です。毎朝、同じ時間に起きることや、夜もできるだけ同じ時間に眠りにつくことで、こころのリズムが整い、少しずつ安定していくでしょう。

あなた自身を大切にするために、生活の中に余裕を持つことを意識してみるとよいかもしれません。

また、毎日のルーティンがあることで、安心感を得ることができます。たとえば、朝のコーヒーやお気に入りの朝食を楽しむ時間、夜寝る前に読書やストレッチをすることは、リラックスにつながります。

4.季節の食材を楽しむ

季節の食材はその時期に必要な栄養素を摂ることができるので、スーパーで旬の食材を見かけたら、ぜひ手に取ってみてみましょう。外食の際には、季節限定のメニューにも目を向けて楽しむのもよいですね。

秋は冬に向けた身体づくりに役立つ、ごぼうやレンコンなどの根菜スープ、冬は身体を温める白菜やにら、大根を使用した鍋や煮物などがおすすめです。

甘いものが欲しくなったら

また、甘いものが欲しくなった時は 過剰摂取にならないように気を付けて、自分に優しくすることも対策として大きな役割を担います。たまにはお気に入りのスイーツを楽しんで、自分へのご褒美としてこころを満たしてあげましょう。

冬季うつは、誰にでも起こりうる自然な反応です。自分を責めすぎず、少しでも気分が落ち込んでいると感じたら、ゆっくりと自分のペースでこころのケアをしていくことがポイントです。

5.辛い気持ちを誰かに話す

冬季うつの症状改善に向けて対策や小さな工夫をしていく中で、もしも気分の落ち込みが続いて「ちょっと辛いな…」と感じたら、誰かに話してみることもとても効果的です。

家族や友人でもいいですし、もし少し難しい場合は、オンラインカウンセリングという方法もあります。メンタルヘルスの専門家と話すことで、こころが軽くなることもありますよ。

カウンセリングは、あなたの気持ちに寄り添ったサポートを行うため、プレッシャーを感じず話せるでしょう。

週に一度のカウンセリングが効果的

カウンセリングは週に1度など、継続して利用することが効果的とされていますので、冬の期間は気分が沈んで不安が大きくなると思ったら、自宅から利用できるオンラインカウンセリングがおすすめです。

オンラインカウンセリングは予約もスマホから簡単にできますので、週に一度、自分のペースで利用することができます。

まとめ

冬季うつは、季節の変化によって誰にでも起こりうるものです。特に日本の冬は寒さや日照時間の短さが、こころと身体に大きな影響を与えます。少しでも「気分が沈んでいるな」と感じたら、無理をせず、今回紹介した5つの対策を取り入れてみるとよいでしょう。

もしもあなたが、自分を大切にできないと感じているなら、あなたが大切に思う人に接するように、あなた自身にも優しく接する感覚をつかむとよいかもしれません。そしてカウンセリングは、そんなあなたの問題解決のサポートを行います。

あなたが少しでも穏やかに過ごせるように、自分をいたわる時間としてカウンセリングを利用するのも、冬季うつの対策として大変効果的です。

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