朝礼や社内会議で発言しようとすると、赤面してしまう、手が震える、思うように声が出ないなどの「あがり症」の症状は、ビジネスパーソンにとっても悩みのひとつではないでしょうか。
こうした緊張がもたらす影響は一時的な不安にとどまらず、仕事に対する意欲やモチベーションに影響することがあります。しかし「あがり症」の症状は、適切に対策をすることで改善することが期待できます。
今回の記事では、「あがり症」を克服したいと悩むビジネスパーソンに向けて、症状の緩和に役立つ実践ガイドを紹介します。緊張に伴う赤面や手の震えなどに悩む方はぜひ参考にしてください。
「あがり症」とは
「あがり症」とは人前で話す際に強い緊張が起こり、赤面や手の震え、大量の汗や声が出にくくなるなどの症状が現れる状態を指します。
「あがり症」の症状は、自律神経の反応により引き起こされるとされていますが、ビジネスシーンでは朝礼や会議、商談の場面などで複数の症状が出てしまうと悩むケースも少なくありません。
次の章では、ビジネスシーンで出やすい「あがり症」の症状について詳しくみていきます。
あがり症の主な症状
「あがり症」の症状は、緊張によって引き起こされる自律神経系の反応が多く含まれていますが、この章では代表的な症状について紹介します。
- 赤面してしまう
- 手が震える
- 汗が止まらなくなる
- 思うように声が出せない
1つずつ順番にみていきましょう。
1.赤面してしまう
多くのビジネスパーソンが「あがり症」の症状として悩むのが、赤面してしまうことではないでしょうか。
人前で話す際、視線が集まっていることに強く意識が向かうと、緊張で交感神経が活性化され、血流が早くなることで顔が赤くなります。
会議やプレゼンテーションの場面では「どのように見られているのか」を自分で確認できないことがストレスとなり、赤面の状態が続くことがあります。
2.手が震える
手が震えるのは緊張による身体的な反応であり、多くのビジネスパーソンが経験していることでしょう。
なかには板書などの人前で字を書く時に、思うように文字が書けなくなるほど手が震えるケースなどもあり、会議や商談の場で自分の手元に注目が集まることでさらに震えてしまうことがあります。
3.汗が止まらなくなる
暑いわけではないのに汗が止まらない、焦れば焦るほど汗が流れてくるといった状況を経験したビジネスパーソンも多いでしょう。
強い緊張がかかると交感神経が活発になることで汗腺が刺激されるため、体温を下げようと汗が出やすくなります。
また、これ以上汗をかきたくないという気持ちが強まるほど、さらに緊張が増し、大量の汗が出るケースもあり、額や首などの周囲が気づく部位に大量に汗をかいてしまうと、心配されるのではないかという不安や恥ずかしさを感じることもあります。
4.思うように声が出せない
緊張が高まると呼吸が浅くなり、喉が締め付けられるような感覚が生じ、声が出しにくいと感じることがあります。
特に、発言しなければならない場面で、声が出しにくい状況になるとパニックになるケースもあり、発言すること自体に恐怖を抱いてしまうケースもあります。
ビジネスシーンにおける「あがり症」克服のポイント
ビジネスシーンでは会議などで発言する機会も多く、緊張や不安を他の従業員に知られたくないと思えば思うほど、「あがり症」の症状が強まり、結果的に仕事に大きく影響する状態となります。
「あがり」症を克服するためには、以下のような対策が効果的です。これらを組み合わせて実践していくことで「あがり症」も症状緩和や改善が期待できます。
1.緊張するのは「自然なこと」だと理解する
会議やプレゼンテーションなど自分を表現する場面では「緊張する」状態に陥りやすいものです。
特に重要な発表を控えた場面などで、緊張を感じるのはごく自然なことです。また、「あがり症」の症状が出るということは、私たちの体が「今、この瞬間に集中すべきだ」と信号を送っている証拠でもあります。
「緊張している」という状態を無理に止めようとするよりも、「緊張するほど真剣に向き合っている自分」を肯定する気持ちを持つことが、克服の第一歩になります。
2.事前準備とリハーサル
「あがり症」の克服としては、繰り返しの練習が効果的です。実際の進行をあらかじめ確認しておくことで、緊張する場面がどこなのかを知ることができるでしょう。
たとえば、会議やプレゼンテーションで話す内容を繰り返し確認することで、当日の緊張に備えることができます。
全てがリハーサル通りにいかないとしても、ある程度の筋道を予測できていることは安心感にもつながります。
声が出しにくいなどの症状がある場合は、リハーサルを録音して自分の話し方のチェックをするなど、客観的視点を持つようにするとよいでしょう。
3.緊張しない場面で経験を積んでいく
「あがり症」がなかなか改善しない要因のひとつとして、同じような失敗を何度も繰り返してしまう状況が挙げられます。
人前で話すたびに赤面したり、手が震えたり、汗が止まらないといった症状が続くと、失敗への不安がより強くなり、努力すればするほど裏目に出て、「また失敗するかも」という恐怖感が募ってしまうケースも少なくありません。
そのため、まずは「緊張しない場面」での経験を積み重ねることが、緊張克服において重要なステップとなります。なかでも、「あがり症」の症状に関する不安も相談できるカウンセリングの利用は、非常に効果的であるとされています。
「あがり症」の症状改善が期待できるカウンセリング
「あがり症」の症状に不安がある場合、カウンセリングを受けることでサポートを得ることが効果的です。
カウンセリングを通じて、自分の緊張の原因を深掘りし、心の状態や反応に対する理解が深まるため、自然と緊張しにくくなる習慣を身につけることができるため、「あがり症」の症状改善が期待できます。
なかでもインターネット環境があれば気軽に利用できる、オンラインカウンセリングサービスがおすすめです。
「あがり症」の場合、置かれている状況や場の雰囲気で緊張するというケースがありますが、オンラインカウンセリングは自宅などのリラックスできる場所から利用ができるため、「緊張しない経験」を無理なく積めるという特徴があります。
オンラインカウンセリングによる「あがり症」の改善の効果
カウンセリングは即効性を期待するものではなく、継続することで本来の効果を発揮します。「あがり症」克服においても、継続的にカウンセリングを受けることで、自分のペースで段階的に問題解決に向けて進めることが可能です。
この「自分のペース」で取り組めるという点は、スケジュール調整が難しいビジネスパーソンにとっても大きなメリットであり、たとえば朝の会議で「あがり症」の症状が出てしまい失敗してしまったという場合でも、予約枠が空いていればその日にカウンセリングを受けることもできるのです。
無理なく気持ちを整理し、日常生活や仕事の状況に応じて相談ができるため、少しずつ自信を取り戻すことができ、あがり症を克服するための大きな助けになります
カウンセリングを継続的に行うメリットについて
継続的にカウンセリングに取り組むことで自己認識が変わり、緊張への耐性が高まっていきます。
ビジネスパーソンにとって、オンラインカウンセリングの柔軟性と利便性は、「あがり症」を克服するための強力サポートになるでしょう。自分のペースで取り組むことで、少しずつ前進していく実感が得られることは、克服に向けた大きな励みとなるでしょう。
「小さな成功体験」が「あがり症」克服につながる
「あがり症」の克服は一朝一夕で実現するものではありませんが、日々の小さな成功体験を積み重ねることが大切であり、小さな目標を設定して進んでいくことが、最も効果的な改善の道です。
重要なのは、失敗しても次に活かす学びとして前向きに捉えることです。小さな成功体験を積み重ねることが「あがり症」の克服につながるでしょう。
まとめ
「あがり症」の症状に悩むビジネスパーソンは少なくありませんが、カウンセリングを活用することで、より効果的に「あがり症」の改善が期待できます。
また、小さな成功体験を積み重ねていくことで、次第に自分に対する自信が深まり、緊張に打ち勝つ力がついていきます。
「あがり症」の克服には着実に前進していくプロセスが重要であり、緊張しない経験を積んでいくことで、より効果的に自分の力を発揮できるようになるでしょう。
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