仕事の悩み

上司と合わない時の対処法とは? 価値観の違いや世代別の特徴を紹介

「上司の考えと合わない」
「上司と価値観が違い過ぎて辛い」

職場の人間関係の中でも、上司と合わずにストレスを感じるビジネスパーソンは増加傾向にあります。

この記事では、上司と合わないことで仕事のパフォーマンスにも影響していたり、体調やメンタルヘルス不調が出てきているというあなたに向けて、世代間ギャップへの理解を深めるのと同時に、上司と上手く付き合うための対策や心構えを紹介していきます。

「上司と合わない」と感じるビジネスパーソンは多い

同じ組織で働く従業員は年齢やキャリア、そして育ってきた環境がそれぞれ異なります。そのため価値観の違いを感じる場面に誰しもが遭遇し、時に大きなストレス要因となり得ます。

現在では「上司ガチャ」という言葉もあり、上司とよりよい関係性を構築することができずに会社を退職するケースも増えています。

「上司と合わない」はコミュニケーションのつまずきから

現代のビジネス環境では個人の価値観やニーズが尊重され、自己実現が重視される傾向がありますが、その前段階である、「上司と合わない」というコミュニケーションのつまずきで辛い気持ちを抱えているケースがあるのも事実です。

上司は悪い人ではないけれど、価値観が違い過ぎて話が通じないと感じることがある

意見を尊重してはくれるが、最終的に意見が合わず業務進行にも影響が出ている

評価基準に上司の価値観が大きく影響しており、納得できない

このように、「上司と合わない」と感じる細かい場面でのストレスの蓄積は、体調やメンタルヘルス不調を引き起こすケースもあると考えられています。

【特徴を知ろう】あなたの「上司」は何世代?

上司がどの年代に該当しているかを知ることも、コミュニケーションを行っていく上で大きな助けとなります。

「〇〇世代」というような呼び名を目にする機会も多いですが、世代によってどのような特徴があるのでしょうか。その時代の背景が色濃く反映されている世代別の特徴を知り、上司と合わないストレスを軽減するヒントを掴んでいきましょう。

上記の表を見ると、知っている世代名がいくつか並んでいるのではないでしょうか。この中でも、上司の年代に該当する「バブル世代」、「就職氷河期世代」、「ミレニアル世代」についてみていきましょう。

バブル世代

バブル世代は1965年頃から1970年頃生まれの、2023年現在で58歳から53歳までが該当します。

バブル世代の仕事に対する姿勢

バブル世代は高度経済成長期にあった日本で子ども時代を過ごし、好景気にわくバブル時代に就職のタイミングを迎えた世代であるため、豊かさの中で成長をしてきたといえます。

当時の栄養ドリンクのキャッチコピーは「24時間戦えますか」という強烈なものでした。そのため、ワークハード・プレイハードの文化を持つ世代です。寝る間も惜しんで働けば、それだけ待遇や給与に直結する時代でもありました。

しかし、バブル景気の日本社会において、努力を惜しまずに働いたビジネスパーソンがいる一方で、時代の追い風を享受し、勤続年数によって昇進をしていったバブル世代が上司のケースもあるでしょう。これは年功序列が当たり前とされていたバブル世代の特徴のひとつです。

バブル世代の会社に対する考え方

バブル世代では有効求人倍率が1.4倍になるなど、就職に関しては非常に有利な状況でした。しかし、現在のように転職を視野に入れた働き方をする事は少なく、一度就職した企業に対しての忠誠心は高かったといえます。

「終身雇用」が当たり前という考えの元に仕事をしてきた世代ですので、多様な働き方がある中でも、転職や副業などに理解を示す一方で、出世を第一に考える傾向が強いのも特徴です。

就職氷河期世代

就職氷河期世代は1970年頃から1984年頃生まれの、2023年現在で53歳から39歳までが該当します。

就職氷河期世代の仕事に対する姿勢


厚生労働省 2020年版厚生労働白書 図表1-3-32を加工して作成

就職氷河期世代はロストジェネレーション世代とも呼ばれ、バブル崩壊後に就職活動をしていた世代を指しますが、特に1998年以降は有効求人倍率が大きく悪化し、0.4倍代にまで落ち込むという厳しい時期でした。

そのため、自分のやりたい仕事、挑戦したい仕事に就職することは大変困難を極めたため、安定した仕事というよりは、仕事ができる場所でがんばるしかなかったという背景を持っています。

就職氷河期世代は仕事における状況が厳しかったため、趣味などの時間を充実させる傾向があり、バブル世代と比較するとプライベートにも重きを置いています。

就職氷河期世代の会社に対する考え方

辛い経済状況が続く中でも、自分自身を採用した企業に対しての忠誠心を持ち合わせています。一方で、企業内であれば新規事業に従事したり、中には培った人脈やスキルを活用して起業することが多いのも就職氷河期世代の特徴です。

就職氷河期世代は、厳しい状況や環境下で揉まれてきた世代ですから、「配られたカードの中でやるしかない」という気持ちが強いため、この世代の上司を持つ部下は「厳しすぎてついていけない」と感じるケースもあります。

ミレニアル世代

ミレニアル世代は1981年頃から1996年頃生まれの、2023年現在で42歳から27歳までが該当します。

ミレニアル世代の仕事に対する姿勢

自己実現や働き方の自由度を重視し、就職氷河期世代と比較しても、よりワーク・ライフ・バランスを求める傾向があります。物質的な成功よりも、仕事の意義や目的を追求するのがミレニアル世代の特徴です。

1997年には9.2パーセントだったインターネットの普及率が、2002年には57.8パーセントとなっていることからも分かるように、ミレニアル世代は、オンライン環境が一般家庭に普及した世代であるため、デジタルの進化とともに歩んできた歴史を持ちます。

厚生労働省 2013年版 厚生労働白書 図表 1-4-2を加工して作成

また、ミレニアル世代の後半は、1987年から2004年まで日本で導入された「ゆとり教育」を受けた世代も含まれているため、バブル世代や就職氷河期世代から「ゆとり」と揶揄される場合もありますが、柔軟な働き方やテクノロジーの活用に積極的で、創造性やイノベーションを重視します。

ミレニアル世代の会社に対する考え方

組織内で上のポストが詰まっており、なかなか昇進をすることが難しいとされるのもミレニアル世代の特徴です。

ミレニアル世代は、リーマンショックの影響を受けている年代も含まれているため、リーマンショック直後に就職活動をしていた場合は、就職氷河期世代よりも厳しい有効求人倍率0.42倍という状況を経験しています。

会社に貢献したいという意識よりは、プライベート重視の傾向があります。また、ブランド志向は弱く、モノに執着することが少ないため、経験を重視します。保守的な価値観を持ちながらも、出世などへの興味も薄いため、評価されなければ新しい会社へ転職をと考えるミレニアル世代も少なくありません。

以上、3つの世代の特徴についてみてきましたが、これ以外にも生まれ育った土地や文化、生活環境の違いによって、人の考えは異なります。

自分とは違う価値観を受け入れることは難しいですが、違う価値観を持った人たちと働いているという意識を持つことはできます。

では、それぞれが持つ価値基準の違いを理解していくポイントを次の章からみていきましょう。

各世代での価値基準の違いを理解する

価値基準の違いを理解することは、異なる価値観やバックグラウンドを持つ上司や先輩と、効果的にコミュニケーションを図る上で非常に重要です。

まず、上司や先輩という括りではなく、同じ従業員として彼らをフラットな視点で見ることからはじめてみましょう。

その上で、下記の事を考慮していくと、上司と合わない、先輩の考えについていけないというストレス軽減につながります。

  1. 他者の言葉を聴く力
  2. 感情を理解する
  3. 柔軟性を持つ

順番にみていきましょう。

1.他者の言葉を聴く力

自分自身を知って欲しい、理解してほしい、認めて欲しいと感じた時に、まずはじめに行いたいのがこの「他者の言葉を聴く」ことです。

上司の話に注意を払い、最後まで聞きましょう。そして「はい」や「いいえ」だけで終わらないような質問を、対話の中で繰り返していくことです。

どうせ話しても無駄、理解できないという段階で止まってしまうと、多様な価値観に触れる機会を逃すことにもつながりますので、まずは相手を知ることからはじめてみましょう。

2.感情を理解する

上司の立場や感情を理解しようとすることで、共感の基盤が築かれます。上司の感情に対して理解を示し、共感の意思表示を行うことが大切です。

価値基準を理解する場合には、相手の感情を理解するというステップが非常に重要になってきます。

上司も、立場の違う従業員との接し方で悩んだ経験があるかもしれませんし、部下の価値観を理解したいと考えているかもしれないのです。

相手の感情を読み取ることで、共感できるポイントを見つけやすくなるので、「上司と合わない」と感じていても、上司のおおよその気分や状況を汲むことができるようになってきます。

ポイントとしては、相手の話題に自分の気持ちを当てはめる必要はありません、無理に共感しようとせず、たとえ一部分でも、「上司の言っていること、なんとなく分かるかも」と思えれば大成功です。

3.積極的なコミュニケーション

柔軟な姿勢で上司とのコミュニケーションを取っていきましょう。

自分の意見を伝えつつ上司の意見にも耳を傾けることで、上司も同じように柔軟性を持つことが期待できます。

これらのアプローチを組み合わせることで、異なる価値基準を持つ人々とのコミュニケーションをより効果的に行うことができます。相手を尊重し、理解しようとする姿勢が、円滑な対話と信頼関係の構築につながります。

仕事におけるコミュニケーションで最も必要なのは「尊重」することです。たとえば上司が全く理解してくれないと感じる場合でも、上司の価値観を尊重しながらコミュニケーションを取っていくことは、後の社会人生活に大きく役立つでしょう。

「Z世代」のあなたへ

バブル世代よりも前の世代である、1960年頃から1964年頃に生まれた「新人類」と呼ばれる世代は、戦後のモノの無い時代を生きて来た団塊の世代からは「常識が通じない」、「甘えている」などと揶揄されてきました。

流行はめぐると言われており、くしくもZ世代はこの新人類世代の流行やファッションを踏襲しています。

世代の名称にはその時代の社会情勢や経済が大きく関わっていますが、豊かな時代でも、厳しい時代だったとしても、その人が共に歩んできた時代には変わりないのです。

現在Z世代と呼ばれる、多様な価値観を認めることができる世代は、おそらくどの世代よりも組織の中の様々な考えに理解を示せるのではないでしょうか。

自分の気持ちを伝えることができていますか?

デジタルネイティブのZ世代は、ソーシャルメディアやオンラインプラットフォームを通じてコミュニケーションを取ることが一般的です。

しかし、自分の本当の気持ちを表現することは簡単ではありません。SNS上では自分を演出したり、他人の目を気にして本音を隠すこともあるでしょう。

自分の気持ちを正直に伝えることは、心の健康にとって非常に重要です。

ストレスや不安を抱えたままでいると、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性がありますので、自分の気持ちを飾らず、素直に表現できる安心で信頼できる場を見つけることは大切です。

もし、ストレスを感じていて辛くても周囲に相談しにくいと思っているならば、オンラインカウンセリングの利用を視野に入れてみるのもよいでしょう。

本音で話せる、相談できるオンラインカウンセリング

オンラインカウンセリングは、プライバシーを守りつつ自分の気持ちを打ち明けられる場を提供してくれます。

インターネットが身近になった現在では、オンラインで受けられるカウンセリングが、安心感を持って利用できる方法として非常に適しています。カウンセリングを受けることで、自分の気持ちに向き合い、心の問題を共有し、解決策を見つける手助けを受けることができます。

ストレスや不安を感じている場合は、オンラインカウンセリングを試してみることを検討する価値があるでしょう。自分の気持ちを話せる場を作ることで、心の健康を守り、より充実した日常生活を送ることができるかもしれません。

オンラインカウンセリングはスマホから予約ができるので、スキマ時間を有効に使いたい場合も最適です。

まとめ

この記事では、「上司と合わない」と感じるあなたに向けて、世代別の特徴や、価値基準の違いについて紹介しました。

上司の世代の価値観への理解を深めることでストレスの軽減が期待できますが、異なる価値観や意見が衝突する場面も出てくるでしょう。

また、自分の意見や考えを上司に伝えることが求められますが、意見を伝えることが苦手な場合もあります。また、本音で悩みを話せないと辛い気持ちを。ひとりで抱え込んでしまっていることもあるでしょう。

そんな時は、オンラインカウンセリングの利用を検討してみましょう。

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ご自宅から、専門性の高いカウンセラーからのカウンセリングを受けられます。

メザニン登録カウンセラー
佐々木 隆嘉 Takayoshi SASAKI
臨床心理士、公認心理師

会計事務所での勤務など、様々な社会人経験を経たのち大学院に入学。修了後、医療・教育領域をメインに業務にあたっています。

【メッセージ】
話をしても何も解決しないかもしれない、話すこと自体がつらい、カウンセラーと合わないかもしれないなど、不安に感じることもあるかもしれませんが、一歩踏み出してご相談いただければと思っています。

あまり堅苦しくならず、ただ愚痴を話してまったりする時間にしていただいても大丈夫です。