仕事の悩み

仕事に集中できない時の対処法と集中力を高める方法を紹介

出勤直後は頭が働かず、休憩の後は眠気と戦い、午後になると充電切れで疲れてしまうなど、仕事に集中できず、ストレスを感じているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

仕事に集中できない状況では生産性が低下するだけではなく、最終的にはこころと身体の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

そこで今回の記事では、仕事に集中できない原因と対処法と、集中力を高めるポモドーロ・テクニックについて紹介します。仕事に集中できずに悩んでいるという方の参考になれば幸いです。

ビジネスパーソンの集中力が続く時間は?

思春期や成人したばかりの頃と比較すると、集中力が続かなくなったというビジネスパーソンもいるかもしれません。

特に仕事に対して集中力が続かず、効率が下がっていると感じる場合もあるでしょう。

ビジネスパーソンが継続して集中できる時間は、平均して30分程度とされており、長時間連続して業務に向かうことは、効率の低下を招くと考えられています。

そこで試してみたいのが、集中力を高める「ポモドーロ・テクニック」です。

集中力が続かない時に試したい「ポモドーロ・テクニック」

「ポモドーロ・テクニック」は、1980年代にイタリアで考案された時間管理テクニックです。

「ポモドーロ」とはイタリア語で「トマト」を意味する言葉ですので、なんだか美味しそうな印象を受けますが、考案者がトマト型のキッチンタイマーを使用していたことに由来します。

このテクニックでは、タイマーを使って作業時間を25分間と5分間の休憩に区切り、そのサイクルを1セットとして繰り返します。

「ポモドーロ・テクニック」の効果

「ポモドーロ・テクニック」により集中力が高まり、短い時間での効率的な作業が可能になります。また、定期的な休憩がストレスの軽減にもつながります。

集中力の向上

短い作業時間と定期的な休憩が交互に行われることで、集中力が高まります。長時間の作業よりも、時間を区切ることで、集中しやすくなるのです。

また、「ポモドーロ・テクニック」を継続的に実践することで、長期的な集中力の向上につながるでしょう。

作業効率の向上

時間を区切って作業に取り組むことで、タスクに集中しやすくなります。そのため作業の効率が上がり、同じ時間内での成果が増えることが期待できます。

先延ばし癖の克服

「ポモドーロ・テクニック」では、短い時間での作業が強制されるため、タスクを小さな単位に分割しやすくなります。これにより、大きなタスクを少しずつ進めることができ、先延ばし癖を克服する手助けになります。

「ポモドーロ・テクニック」は仕事の品質や量を向上させることができるため、多忙なビジネスパーソンにとって非常に有効な時間管理テクニックといえます。

「ポモドーロ・テクニック」実践方法

  • やるべきタスクをリストアップします
  • タイマーを25分にセットし、集中して作業に取り組みます
  • タイマーが鳴ったら、5分間の休憩を取ります
  • 4つのポモドーロが終わったら、30分間の長い休憩を取ります

上記のサイクルを繰り返します。

作業時間を区切ってルーティン化することで、集中力を持続しやすくします。

「ポモドーロ・テクニック」実践のポイント

  • 作業中は、電話やメールなどの誘惑を断ち、集中できる環境を作ることが重要です
  • 5分間の休憩は、立ち上がって身体を動かしたり、目を休めたりするなど、自由に過ごしてください
  • 長い休憩はランチを取ったり、運動したりするなど、リフレッシュできる時間として活用してください

ポモドーロ・テクニックは、自分に合ったやり方を見つけることが重要です。

25分間の作業時間が長すぎる場合は、作業時間を20分に変更する、休憩時間を短くするなど、自分に合ったルーティーンにして構いません。

「ポモドーロ・テクニック」について理解が深まりましたが、仕事に集中できない原因について対処できていない場合は、実践することが難しいかもしれません。

では、次の章で仕事に集中できない原因と対処法について詳しくみていきましょう。

仕事に集中できない原因と対処法

1.業務量の多さ

多すぎる業務量は、心理的および物理的な負担となります。

例えば、締め切りが多い仕事の場合などは、慢性的にタスクが山積みになるなど、常にプレッシャーがかかるため、集中力が低下する場合もあります。

タスクに優先順位をつける

業務量が多い場合は、重要度と緊急度に基づいてタスクを分類し、優先順位を設定していきます。

また、部署やチーム内で分担できる業務があれば話し合うことで、従業員それぞれの負担を軽減することもできるでしょう。

業務量の多さは職種や役職によっても異なりますが、長期間残業が続いているなどのケースでは、業務内容の見直しをすることも視野に入れ、定期的にミーティングを実施するとよいでしょう。

2.職場の人間関係

仕事をする上で、職場の人間関係に悩むビジネスパーソンは多く、職場に合わない従業員が居るだけで、何らかのストレスを感じるという場合もあるでしょう。

また、職場の人間関係がうまくいかないというケース以外でも、周囲に気を遣いすぎて業務に集中できないなど、コミュニケーションに対するストレスが負担となり、仕事への集中を妨げることもあります。

原因を特定し、相手との距離感をつかむ

まず、どのような人間関係が原因で仕事に集中できないのかを特定していきましょう。

  • 特定の人との対立があるか
  • 職場全体の雰囲気がギスギスしているのか
  • 上司もしくは他従業員との関係がうまくいっていないのか

原因を特定することで具体的な対策が立てやすくなり、適切な距離をつかむことができれば、仕事に集中しやすくなります。

3.業務内容の不満

不満のある仕事に対しては、集中力が続かないだけではなく、効率やモチベーションも低下します。

自身が得意とする業務や、好きな仕事をしている時は集中力が持続し、時間が経つのが早いという経験をしたことがあるビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

苦手とする業務やスキル不足を感じている仕事、ミーティングや会議などでは集中力が続かず、不満を抱えることもあるかもしれません。

ポジティブな視点を持つ

業務内容が苦手である場合でも、会社全体やチームに与える意義や成果を見出すことができると、モチベーション向上が期待でき、集中力持続にもつながります。

チームや組織の目標達成に、自分の業務がどのように貢献しているのかを理解することも大切です。

現段階では無駄に思える、もしくは生産性がないように感じる業務でも、将来的に自身の糧になるケースは大いにありますので、ポジティブな視点を持つことは重要であるといえます。

また、業務内容を含む、自身のキャリアについて悩んでいる場合などは、キャリアカウンセリングを受けるとよいでしょう。キャリアパスが明確になることで、集中力が散漫になっていた状態が改善するかもしれません。

4.職場環境の問題

物理的な職場環境も集中力持続を阻害する原因である場合があります。

例えば、騒音や業務に適さない温度や照明の問題などは、集中力を妨げることがあり、今の仕事が好きで、職場の人間関係が良好でも、大きなストレスになるでしょう。

作業スペースの整備をする

自分の作業スペースを整理整頓し、作業効率を高める環境を作ることが大切です。デスクの配置や椅子の調整、視覚的に気になる要素の除去など、集中力を阻害する要因を改善していきましょう。

また、個人の判断で整備が難しい場合は、上司に相談してみましょう。例えば、作業するデスクの照明が眩しいなどの場合は、周囲の従業員の許可を事前に取ってから相談をすることで、職場環境の改善がスムーズにいくケースもあります。

5.睡眠不足

睡眠時間は集中力に深く関係してます。十分な睡眠が確保されていない状態では、脳の働きが低下し、集中力の維持が難しいとされています。

睡眠不足が続くと脳が情報を整理できず、その日に得られた体験や知識の定着が難しくなるといわれています。

体内時計を整えて、規則正しい生活を

人間の体内には「体内時計」と呼ばれる生体リズムがあり、リズムに合わせて身体の機能やホルモンの分泌を調整します。

しかし、規則正しい睡眠スケジュールを保つことが重要であると理解はしていても、なかなか寝付けないなどの状態や、忙しい日が続くと、体内時計が少しずつ不規則になってしまうというビジネスパーソンも多いかもしれません。

もし、体内時計がずれていると感じたら、少しずつ調整をしていきましょう。まずは、毎日決まった時間に起床することを心がけるところから開始し、1か月から2か月を目安にゆっくりと戻していくとよいでしょう。

6.メンタルヘルスの問題

メンタルヘルスの問題と集中力の低下は、密接に関係しています。メンタルヘルスが不調になると集中力が低下しやすくなり、仕事だけではなく日常生活に支障をきたすことがあります。

悩み事や不安を抱えていると、目の前のことに集中することが難しくなり、集中できない期間が続くことで、物事に対して意欲が低下すると考えられています。

また、仕事に集中できないメンタルヘルスの問題として、燃え尽き症候群などの症状も考えられます。

専門家のサポートを受ける

メンタルヘルスの問題に対する専門家のサポートは、健康な生活の復帰や集中力の回復に向けて重要な役割を果たします。

仕事に集中できない原因がメンタルヘルスの問題である場合は、専門家のサポートを受けましょう。自分自身のメンタルヘルスをサポートするために、適切な専門家との連携を図ることが推奨されます。

臨床心理士などが行う「カウンセリング」

ビジネスパーソンが仕事に集中できないという問題には、臨床心理士などが行うカウンセリングが有用です。

カウンセリングを行うカウンセラーは個々の状況を理解し、集中力の回復や健康的な生活を送るためのサポートを提供します。

オンラインカウンセリングがオススメ

近年では、オンラインカウンセリングサービスが充実しており、自宅から手軽に利用することが可能になりました。

通勤時間や忙しいスケジュールに縛られることなく、利用しやすいことがメリット
ですが、プライバシーがしっかり守られた環境でカウンセリングを受けられるのも魅力のひとつであるといえます。

必要に応じて、臨床心理士などの専門家との相談やカウンセリングを受けることが集中力の回復に役立ちます。メンタルヘルスのケアは仕事のパフォーマンスに直結します。

週に一度、カウンセリングを継続して受けることで、早期のメンタルヘルスケアが可能になり、仕事のパフォーマンスや生活の質向上が期待できるでしょう。

まとめ

仕事に集中できない原因は、過度なストレス、不適切な時間管理、身体的な健康問題、メンタルヘルスの問題など多岐にわたります。

これらの原因を理解し、適切な対策を講じることで、集中力を向上させ、生産性を高めることができます。自身の状況を見直し、改善すべき点を見つけて取り組むことが重要です。

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メザニン登録カウンセラー
佐々木 隆嘉 Takayoshi SASAKI
臨床心理士、公認心理師

会計事務所での勤務など、様々な社会人経験を経たのち大学院に入学。修了後、医療・教育領域をメインに業務にあたっています。

【メッセージ】
話をしても何も解決しないかもしれない、話すこと自体がつらい、カウンセラーと合わないかもしれないなど、不安に感じることもあるかもしれませんが、一歩踏み出してご相談いただければと思っています。

あまり堅苦しくならず、ただ愚痴を話してまったりする時間にしていただいても大丈夫です。