仕事の悩み

職場の人間関係にストレスを感じたら「DESC法」を取り入れてみよう

職場の人間関係に悩んでいたら、体調にまで影響が出始めてしまって毎日が辛いと感じることはありませんか。

この記事では、人間関係によるストレスで業務が思うように進まないと感じている方に向けて、職場での人間関係に役立つコミュニケーション方法や、ストレス対策を紹介していきます。

職場の人間関係にストレスを感じる人は多い

下の厚生労働省が2021年に発表した労働安全衛生調査によると、「仕事や就業に関する不安、悩み、ストレスを感じるとした労働者のうち、その内容」の割合は、仕事の量43.3%、仕事の失敗・責任の発生等33.7%、仕事の質33.6%に次いで対人関係25.7%と続きます。


※主なもの3つ以内の複数回答
参考)厚生労働省 | 2021年労働安全衛生調査

仕事の「量」や「責任」、そして「質」は会社での業務に関する内容であるのに対し、「対人関係」は上司や先輩、部下や同僚とのコミュニケーションスキルの不和によるところも大きいことから、人間関係は職場環境を左右する原因のひとつであると言えるでしょう。

今の仕事は好きだけど…

  • やりがいのある仕事で給与にも満足しているけど上司が苦手
  • 今の仕事は好きだけど、職場の人間関係がよくない
  • 人間関係の悪さが業務に影響している
  • 仕事も合わないし人間関係もうまくいかない

というように、職場の人間関係でストレスを感じている人は少なくないのです。

では、厚生労働省が2021年に発表した雇用動向調査結果の概要の中で、「転職入職者が前職を辞めた理由で、職場の人間関係が好ましくなかった」と回答した割合を年代別に見ていきましょう。

男性は19歳以下が18.1%、女性では55〜59歳が16.2%が最も高く、「対人関係が好ましくなかった」と回答している割合が40〜44歳、そして45〜49歳では男女ともに高い割合となっています。

参考)厚生労働省 | 2021年雇用動向調査結果の概要

このように、職場の人間関係がストレスとなって退職をするケースは決して珍しいとは言えないのです。

離職率とコミュニケーションの関係

職場でのコミュニケーションに問題がある場合は、従業員がストレスを感じやすい状態となるため、離職率の上昇につながる可能性があります。

2019年に独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った、「人手不足等をめぐる現状と働き方に関する調査」によると、キャリア展望や働き方の希望についての意思疎通ができている企業は、出来ていない企業に比べると職場の雰囲気が明るくなり、従業員間のコミュニケーションが活発化しているという結果が出ています。


参照)独立行政法人労働政策研究・研修機構 | 2019年人手不足等をめぐる現状と働き方に関する調査

このようなデータから、職場でのコミュニケーションが活性化するには、「意思疎通ができている」ことが重要であると分かります。

社内の人間との意思疎通がうまくいっていない状態では、自らのキャリアや働き方についての話し合いができないだけではなく、細かい業務のやり取りも辛く感じてしまうでしょう。

そこで、仕事のストレスの大部分を「人間関係」が占めているようであれば、職場で使えるコミュニケーション方法を試してみてはいかがでしょうか。

相手を不快にすることなく自分の主張もしっかりと伝えることができる「「DESC法」」が、職場の人間関係で感じるストレスに役立つかもしれません。

「DESC法」でコミュニケーションを円滑にする

「DESC(デスク)法」とは、円滑なコミュニケーションを取る上で非常に有効な問題解決や意思決定を行うためのフレームワークです。

「DESC法」は

  1. Describe /描写
  2. Explain /説明
  3. Specify /提案
  4. Choose/選択

の4つの段階に分かれています。

職場で言いにくいことを伝える時、何かを依頼する時、頼まれた事を断る時など、様々な場面で「DESC法」が手助けとなるでしょう。

「DESC法」の具体例

例えば、現在の業務で手一杯な所に
「この業務をお願いしたい」
と、上司が新しい業務を依頼してきたとします。このとき、
「時間がないので無理です」
「できないです」
「いつも私だけに仕事を押し付けていませんか」
のような返答をするよりは、相手の状況や気持ちを思いやる気持ちを持ちながら丁寧に伝えることで、コミュニケーションが円滑に進むことが期待できます。

では、「DESC法」を使った会話をみていきましょう。

1.Describe /描写

「描写」ではまず、感情を交えずに現在の状態や状況を正確に伝えてみましょう。

「新しい依頼ですね。現在受け持っている業務の量が多く、現状では時間に余裕がありません」

2.Explain /説明

「説明」では、今の自分の気持ちを説明します。

「新しい依頼をお受けした気持ちもありますが、今の業務も時間内に終わるか正直不安です」

3.Specify /提案

「提案」では、自分の主張をしていきます。この時のポイントとしては、互いに納得ができそうな案を伝えることです。

「時間的に全部をお受けすることはできませんが、今日中ではなく明日までの期日を頂ければ、一部分だけでもお手伝いすることが可能ですが、いかがでしょうか」

4.Choose/選択

「選択」では、提案が成功した場合は結果を受け入れて行動をします。万一提案を拒否された場合は、他の代替案を出してみましょう。

提案が成功した場合
「ありがとうございます。では依頼の振り分けが済みましたら、またお声がけいただければとおもいます。」

提案が却下された場合
「では今の業務を他の従業員に手伝ってもらうことが可能でであれば、新しい依頼をお受けすることができると思います」

「DESC法」は「描写」、「説明」、「提案」、「選択」の段階を踏むことで相手の状況も理解しつつ、自分の主張も伝えることの難易度も下がることが期待できますが、し順序を意識しても、自分の意見を言いづらい状態になることも少なくありません。

では次に、「DESC法」のポイントを見ていきましょう。

まずは提案を考えてみよう

会話は「DESC法」のSにあたる「Specify /提案」から考えてみると会話がスムーズにいくことが期待できます。

では上記の例と同様に、上司が新しい依頼をしてきたとしましょう。

明日まで時間をもらって他の従業員と手分けすれば手伝えるかも。と、まずは提案から考えてみます。

提案を先に考えてみると、描写を冷静に行うことができますし、感情面をコントロールする手助けにもなるでしょう。

業務管理にも使える「DESC法」

「提案」や「選択」から考えるというのは、仕事のタスク管理にも有効です。

逆算して考えることで、あらかじめ着地点を知ることができるため、業務のスケジューリングをする際に役立ちます。

上司や同僚、後輩に業務連絡をする際に、最終的にはこのような状態であることが望ましいという形を知っていれば、コミュニケーションが円滑に進むことが期待できます。

職場コミュニケーションは試行錯誤の連続

誰もが簡単に「業務をする上で重要なことを伝える」ことができれば、職場の人間関係に悩む方がこれだけ多く存在することはありません。

「DESC法」はコミュニケーションを円滑にするフレームワークとして非常に有効ですが、最初から使いこなすのは容易ではないですし、頭では理解していても、思うように会話ができない事もありますよね。

そこで「自分の会話のクセ」を知ることも重要になってきます

「自分のクセ」を自覚する

「filler/フィラー」

会話の間に挟む「あー」や「えー」のような言葉を「フィラー」と言います。

「えー、あのー、えーとですね…」
「あー、それはですね」

などのように、何かを考えながら話す時や、緊張している時などに出やすい傾向がありますが、話す前などに言うことがクセになっているという方も少なくありません。

会話をする時の視線

職場でコミュニケーションを取る場合は、できるだけ相手の目を見るようにしてみましょう。

特に提案などをする場合は、目を見て話すことで会話により説得力を持たせることができます。また、相手の話を聞く際にも、真剣に聞いてくれていると印象付けることができます。

このように自分のクセを自覚することで、どのような状況や場面で会話につまずいていたかが見えてきます

がんばっているからこそ相談をしたい

職場で円滑なコミュニケーションが取れるようにがんばっていると、くじけてしまいそうな時もあります。

業務はやった分だけ評価される一面を持ち合わせていますが、職場のコミュニケーションは数字などで可視化ができないため、果たして成果は出ているのだろうかと不安にもなります。

そんな時は誰かに話してみることで、客観的な視点からのアドバイスやサポートが期待できます。

オンラインカウンセリングで相談してみよう

特に職場での人間関係の悩みは、人事や社内の相談室に相談するのも勇気がいります。

また、友人への相談は気軽にできる代わりに、友人からも相談を持ちかけられる場合もあり、結局友人の話を聞いている時間のほうが長かった、という結末になることも珍しくありません。

オンラインカウンセリングなら、専門のカウンセラーに悩みを相談することができますので、相談をするまでの様々なストレスを軽減することができます。

オンラインカウンセリングは予約も簡単

オンラインカウンセリングはインターネットにつながる環境であれば24時間、スマートフォンからでも簡単に予約が取れます。

また、オンラインカウンセリングは自宅で相談できるのもメリットです。

相談をするために移動する時間を省くことはもちろん、なによりリラックスできる状態で自宅などから専門のカウンセラーに相談することができるのが、オンラインカウンセリング最大のメリットです。

まとめ

この記事では、職場の人間関係にストレスを感じている方に向けて、職場の悩みに関するデータや、職場のコミュニケーションに取り入れたい「DESC法」を紹介しました。

今の仕事は好きだけど人間関係に悩んでいる、自分なりにがんばっているけれど成果が見えなくて不安、という方はオンラインカウンセリングで相談してみることを視野に入れることで、気持ちが楽になるかも知れません。

 

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