仕事でミスをして落ち込むことは、多くのビジネスパーソンが経験することです。
特にミスが続くと、またミスをしたらどうしようという不安や、周囲に迷惑をかけられないというプレッシャーを感じてしまうかもしれません。
そこで今回の記事では、「仕事でミスばかり」が続き、自己嫌悪に陥った時に試したい3つのことを紹介します。
仕事の失敗がストレスになっている割合
厚生労働省がまとめた「労働安全衛生調査」の中の「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスの有無及び内容(主なもの3つ以内)」で、「仕事の失敗、責任の発生など」の割合の推移をみていきましょう。
2019年から2022年と比較すると、2023年は大幅に高い割合になっていることがわかります。過去4年間は33〜35%台で推移していた割合が、2023年では39.7%にのぼっています。
厚生労働省 労働安全衛生調査(実態調査)2019年18表、2020年表12、2021年表14、2022年13表、2023年第17表を参考に作成
ミスばかりが続く原因と対処法
同じようなミスだけではなく、今までしたことがないようなミスが続くと、どうして自分はこんなミスをしてしまうのだろうと深く落ち込むことがあります。
細心の注意を払い、集中して行っていた業務でミスをしてしまうと、ショックや自己嫌悪が大きくなることもあります。
この章では、仕事でミスが続く時に多いとされる5つの原因を紹介します。
- 体調不良
- 疲労や睡眠不足
- 慣れない業務や作業
- 職場に人間関係
- 仕事量の多さ
1つずつみていきましょう。
1. 体調不良
体調不良は、集中力や判断力を大きく低下させるため、ミスが起こりやすいとされています。
また、体調不良時は通常時と比較すると思考が鈍くなるため、重要な判断や意思決定が難しくなり、回復するまでの期間にミスばかり続くこともあるかもしれません。
風邪などによる体調不良
風邪などによる体調不良では、発熱などの身体的な不調から、集中力を持続させるのが難しいなどの症状が出るケースがあります。
身体が重く、頭がぼんやりとしている状態では、タスク管理にも影響が出るため、ミスにつながるとされています。
2. 疲労や睡眠不足
ストレスや疲労が蓄積すると集中力や判断力が低下し、ミスにつながる原因となります。
1で挙げたような、風邪のような明確な症状がなくても、慢性的に疲れている、眠れていないなどの状態では、ミスが続く可能性が高まります。
慢性的な睡眠不足に注意が必要
慢性的な睡眠不足は、仕事のミスを誘発する大きな要因の一つです。
睡眠は心身の健康を保つために必要不可欠であり、睡眠不足は日常の業務におけるパフォーマンスにも深刻な影響を与えます。
3. 慣れない業務や作業
新しいプロジェクトや慣れない業務に取り組む際には、ミスが起こりやすい状態であるといえます。
例えば、複雑な作業ではより集中力を要する事があり、長時間続けているとミスにつながる可能性もあれば、複雑ではない業務でも、慣れない工程でミスをしてしまうケースもあります。
プレッシャーのある状態での業務がミスにつながることも
新しい環境や業務ではプレッシャーやストレスが増加する傾向があるため、冷静に物事を判断することが困難な状態に陥るケースもあります。
特に、結果を出すことを求められる状況や時間的制約がある場合は、焦りからミスが発生しやすくなると考えられています。
4. 職場に人間関係
職場での人間関係がストレスとなり、ミスを引き起こすこともあります。
たとえば、上司や同僚とのコミュニケーションが円滑でないと、誤解やトラブルが発生しやすくなるため、指示や意見の食い違いが起こり、結果としてミスが発生する可能性が高まります。
コミュニケーション不足もミスの要因に
コミュニケーション不足が原因で、業務の期待値や目的が共有されていない場合もあります。
チーム内の従業員それぞれが、異なる認識で仕事を進めることになり、誤解や摩擦が生じることがあります。
5.仕事量の多さ
最後は、仕事量の多さです。タスクが多すぎると、各業務に十分な時間と注意を割くことができず、その結果としてミスにつながる可能性が高くなります。
タスクを管理しきれなくなる影響
複数の業務が同時に進行する状況では、どのタスクを優先するべきかの判断が複雑になるため、結果として重要なタスクに十分な時間と注意を割くことができず、ミスが発生しやすくなります。
また、急な依頼や予期せぬ問題が発生すると、さらに混乱を招き、管理が難しくなります。
では、原因を踏まえた上で、「仕事でミスばかり」が続き、自己嫌悪に陥った時に試したい対処法を、次の章で詳しくみていきましょう。
「仕事でミスばかり」でつらいときの対処法3つ
仕事でミスをしたときに落ち込むのは自然なことです。以下の対処法を試してみることで、気持ちを軽くし、改善へとつなげることができます。
- 自分を責めすぎずミスを受け入れる
- 原因を分析して改善策を考える
- 専門家のカウンセリングを受ける
1. 自分を責めすぎずミスを受け入れる
ミスは誰にでも起こるものですので、自分を責めすぎずにミスを受け入れることが重要です。
悲観的にならずに、ミスは成長の一部であり、学びの機会であると前向きに捉えるとよいかもしれません。
とはいえ、ミスが続いて自己嫌悪に陥っている場合は、なかなか気持ちの切り替えは難しいものです。まずは、ミスをしてしまった時の自分の感情を受け入れるところからはじめてみましょう。
自分を励ますのも効果的
ミスが続いて気持ちが落ち込むケースでは、自分に対して励ましの言葉をかけることが効果的です。
「大丈夫、できている所のほうが多かった」「次はこうしよう」と前向きな言葉を使うことで、自信を回復しやすくなります。
2. 原因を分析して改善策を考える
ある程度気持ちが落ち着いてきたら、次に重要なのはミスの原因を冷静に分析し、改善策を考えることです。原因を把握することで、再発防止に向けた具体的な対策を立てることができます。
ミスが発生した状況やプロセスを振り返り、どこで問題が発生したのかを特定します。問題の特定ができたら、その原因に対して具体的な改善策を考えましょう。
上司やチームからのフィードバックの活用
上司やチームメンバーからのフィードバックを活用することも非常に有効です。
他者からの視点を取り入れることで、より包括的な対策を立てることができます。自分自身では気づかない視点や新たなアプローチを得ることで、対策の精度が向上し、再発防止につながるでしょう。
3.専門家のカウンセリングを受ける
仕事に関する悩みは、気軽に相談しにくいのが現状です。上司やチームメンバーを信頼していても、その信頼関係があるからこそ、迷惑をかけたくないという気持ちから相談をためらうこともあります。
このような場合には、臨床心理士や公認心理師、精神保健福祉士、EAPメンタルヘルスカウンセラーなどの専門家のカウンセリングを受けることが効果的です。
専門的なサポートを受けることで、自己嫌悪から抜け出し、仕事でのミスに対処する力を養うことができます。
カウンセリングは気軽に受けてよい
カウンセリングと言うと、重い悩みを抱えた人が受けるものというイメージがあるかもしれません。しかし、悩みの重さに関わらず、気軽にカウンセリングを利用することが大切です。
カウンセラーはミスが続く原因やその影響を深く理解し、客観的な視点から問題解決に向けたサポートを行います。
自分だけでは整理しきれない感情や思考をカウンセラーと共に整理することで、自分の気持ちや考えを言葉にして表現することができます。
継続的なカウンセリングの効果
カウンセリングは一度きりのものではなく、継続的に受けることでより大きな効果を得ることができます。
週に一度のカウンセリングセッションを継続することで、ミスがあった場合でもミスを前向きに捉え、仕事に取り組む姿勢を改善することが期待できます。
また、継続的にカウンセリングを受けることで、仕事に対する悩みを同じカウンセラーに相談をしていく形を取れます。これは大変心強いことです。
メンタル面のサポートを受けながら仕事に取り組めることで、こころの負担を軽減することが期待できます。
カウンセリングでは、自分だけでは整理しきれない感情や思考の整理ができるため、自分自身の根本的な悩みについて向き合うことができるでしょう。
まとめ
この記事では仕事でミスばかりが続き、自己嫌悪に陥った時に試したい対処法について紹介しました。
ミスが続き、自己嫌悪に陥った場合は、自分を責めすぎずに原因を分析して改善策を考えていくことが大切です。
また、必要に応じて専門家のカウンセリングを受けることで、気持ちを軽くし、前向きに仕事に取り組むことができるでしょう。
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メザニン登録カウンセラー
宮園 さとみ Satomi MIYAZONO
公認心理師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント
プログラマ等の社会人経験を経て、職場のメンタルヘルス問題のニーズを感じ、対人支援職に転向。就労支援、リワークなど、メンタルヘルスに関わるプログラムに携わっています。
【メッセージ】
今まで目を向けてこなかった自分の可能性や、これからの選択肢、自分への理解を深めるお手伝い等、人生という長距離を走るあなたに、寄り添い伴走しながら、応援する。そんなカウンセリングの時間を提供できればと思っています。